ヤマトコトバの成り立ち。

「コトバの原典」という本を見つけ購入したのが28年程前。

買った動機は、開祖植芝盛平の影響があります。

大学1年の時、新宿若松町の本部道場へ部活で稽古に行った時、初めて出会いました。

背は低いのですが、眼光鋭く、道場へ現れると指導者達他に緊張が走り全員が正座しお迎えします。

技の指導後、合気道の説明が神話の神々の働きから話されるので理解できないことばかりが印象的でした。

例えば、

合気神髄から「この道は、天の浮橋に最初にたたなければならないのです。・・・略・・・那岐、那美、二尊が天の浮橋に立って、発し兆し・・・」とあります。

記憶に残ったのがイザナギ、イザナミ、天の浮橋位・・・でした。18歳の年では理解不能、まして戦後は記紀を教えません。

 

後年、先輩の弟さんから盛平翁の講話のテープを貰い聞くと言霊、言霊学という言葉が出てきます。

よく聞いていると、「あ・お・う・え・い」と語一つ一つに働きがあると説明しているなと理解したのです。

それが切っ掛けでした。

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盛平翁は例えば「高天原の妙生」の項でこのように口述しています。

「・・・マとは全く張りつめて、玉となることをいう。またこの極微点の連珠糸(さぬき)となす。神霊元子が活気臨々として活動している気を称して、一言にハという。これは活気臨々、至大煕々というなり。即ち循環運動のことである。

タ(対照力)、カ(掛け貫く力)、ア(神霊顕彰、而して宇宙為)、マ(全く張りつめたる玉)、ハ(神霊活気臨々、至大煕々)、ラ(循環運行)・・・」武産合気より。

翁は語の意味をこのように説明されています。

 

「コトバの原典」を読むと、”はじがき”に説明が記述されていました。

「「コトバの原典」とはアイウエオの音図のことです。日本語は一語一語に分けると、すべて音図の中に納まってしまう。その二語三語の組み合わせで日本語としての意味がでてきます。その組み合わせで意味が出てくるということは、初めの一語一語に意味があるからであって、一語の意義を見究め、語位相(タテ、ヨコの位置)を確かめて、秩序的に構成したのが、原典としての音図表です。・・・」 、

音図表は、ア行からワ行の一語一語の意味を潜象界・動・現象界と振り分けられ、一語の説明がされているものです。

例えばウ語には「総エネルギーの意」として説明があり、「うまい話」の頁に「ウ」を説明していました。

「・・・音叉の実験器具に喩えて、ア次元(法則の世界)とオ次元の(現象の世界)の共鳴の中にウナル(唸る=ウ鳴る=ウ成)が生じる。そこにアイウエオの基本的な構造のあることを申し上げた。・・・」。

また、シマとヤマ説明では、

「・・・ヤマもシマも、マ語の次元では同じ地殻の隆起物である。したがってマ語は、全体(地殻)の中の、個々に凝集したエネルギーであることが解る。・・・」

盛平翁は言霊(ことだま)として語に意味を持たせます。

例えば、「ス」という語は、

「・・・「ス」というと「ウ」が出てくるのです。つまりひびき、すべての世の中のことはひびきであります。おへその中から出てくるのです。舞い上がってくるのです。四海丹田に宇宙を結んでいくのです。「スーウーアーオーエーイー」言葉が発してくるのです。・・・」

講話のテープには「ス」という発音は西洋にないと語っていましたが、独特の働きが「ス」にはあるのかと理解した。

意味・意義に違いはあれど、語に働きがあるということに「コトバの原典」・盛平翁「言霊」は共通しています。

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コトバの原典には日本語・ヤマトコトバは「言=事」と有り、日本精神文化「言行一致の誠」の徳を世界に知らしめよう訴えていまいした。

 この本でヤマトコトバの成り立ちに、連綿と続く日本精神文化が見て取れます。

最近は利便・実用性が重視され、外国語の習得ばかりが巷間言われますが、母国語である大和言葉の学習はおろそかにしてはならないと思います。

母国語には、成り立ちに長い歴史が有り、ご先祖、先人たちが育んできた文化がいっぱい埋まっています。

小学校の先生をやっていた叔母が言った言葉、「教育の基本は国語」が思い出されます。 

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コメントが 2件あります

  1. シンさんより2013年5月17日7:42 PM

    こんばんは。
    ヤマトコトバ。
    日本古来の言葉であり、その発祥が気になるところです。
    他の言語とほとんど共通性が無いようで、日本の地で独自に発達したのか、集団で他の地域から来たのか、また、日本人の起源はどうなのか、人類はどのように進化し、拡散したのか、興味があって本を買ったり、インターネットで調べたことがありましたが、日本語と日本人についてはよく分かりませんでした。
    社長の研究から、大和言葉には神掛かった何かがあるようですね。

  2. 上野2013年5月17日8:00 PM

    シンさん、お元気ですか。
    コメント有難うございます。
    合気道をやっていなければ「大和言葉」としての日本語に関心を持たなかったと思います。書棚から再び「コトバの原典」を取り出し折にふれ読んでいます。
    今まで気づかなかった言葉の働きを知るたびに興味が湧いているところ。
    ボチボチですが研究していこうと考えています。

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