知り合いに表題の仕事をしていた方が居るので仕事の内容を説明してもらう機会を作りました。 着物に絵柄を付ける作業、詳しく聞くといくつもの工程がありました。
1 絵柄を付ける布地を受け取る。
2 湯のし(湯のし屋) 布地を揃える。
3 下絵えば(縫い屋)サイズに合わせ裁断。
4 下絵師(柄屋)家紋入れも担当
5 糸目(糊画師が担当)
6 友禅師 絵付
7 糊伏し(糊画師が担当)
8 染屋
9 蒸し屋
10 染屋(糊落とし)
11 ドライ屋・・ゴム糊の場合・・
12 仕上げ師 家紋を入れる場合、金箔、銀箔、プラチナで色付。
糊は、もち米、ゴムが使われる。
使われる道具、 写真で黒く塗られている部分に色がついていて糊が乗っている。この後染物屋に行って染められるが、表側は全体を染め、裏側は絵が描かれている部分は避けて仕上げる。その後、染料を定着させるために蒸すとのこと。
色が付いた布地。 糊付の方法。 布地は丹後ちりめん、高級な反物だそうで、失敗したら大変ですね。 緊張感を持って作業にあたるのでしょう。 下絵に沿って糊を落とす。 糊つけした図柄、染めた後糊を取ると図柄が出て来る。 本人曰く、オヤジさんが画家だったので絵心は小さい時からあったようで、関心があったのでこの道に入ったとか。 本当に繊細な仕事でした。 この様に工程が多くあり、それをまとめる「悉皆屋」と呼ばれる人がいて、今様に言えば「プロデューサー」に相当するようです。 どんな仕事も支え合って出来るものですね。
加筆 R1.06.11
元糊画師のスタッフがさらに詳しくと手描き友禅のパンフレット持ってきてくれました。
彼が担当する作業は糸目糊置の工程です。写真の方は石井嘉一さん、彼の師匠に当たる方。
手描き友禅挿し工程順。
絹織物⇒構想⇒図案⇒下湯のし⇒下絵⇒糸目糊置き⇒地入⇒手描友禅挿し⇒糊置伏せ⇒引染⇒蒸し・水洗⇒上湯のし⇒仕上
糸目糊置きが済んで、手描友禅挿しの色入れがすべて終わると、色がついた柄に糊画師が糊置伏せして次工程へ。
パンフレット右上の着物(白地に黒)の作品、後に先にも彼しかできない作品。
新宿区に寄贈されて、展示会がある時だけしかみれないとのこと。
糊画師の仕事をした人から見ると超絶な技術、これから後、不可能な作品だそうです。
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