ロンドンオリンピック、水泳、サッカーが躍進している中、報道では「日本柔道 惨敗」と報じています。
「柔道で男子は五輪史上初めて金メダルゼロに終わり、女子も量産が期待された金メダルが1個という惨敗。メダル総数は金1、銀3、銅3で、男女14階級となった1992年以降で過去最少だった前回と並ぶ7だった。」ネットニュースより。
それでも、メダルは7つ獲得していますが、お家芸である柔道との認識がそう言わしめるのでしょう。
100キロ級、100キロ超級の穴井、上川両選手は2回戦で敗退したことが更にそんな印象を強めています。
取引先に大学の後輩にあたる体育会柔道部に所属した人がおり、バリバリの稽古を積んだ経験の持ち主にこの惨敗ぶりに関して聞いてみたのです。
彼曰く、
● 足が出ない、小ワザが少く動きが悪い。
● 日の丸を背負ったプレッシューが強い。
試合の印象の弁、
本人も学生時代試合経験があり、足が出ない、小ワザが少ないと批評していますが、
これがプレッシャーのせいなのでしょう。
お家芸、金メダルでなければと言う重圧があるのではとの考えでした。
● 柔道が柔道らしくない、ルールの変更の悪影響。(彼の時代は技有り、一本のみで勝敗を決定していた。)
● 試合の展開がせせこましい。(攻撃的でないと注意。)
これはルールの問題として言っていました。
試合に落ち着きがなく、どっしりとした感がない。
組手争いなど、ちょこちょことした動きとなりそんな印象があるのでしょう。
彼に聞いたのですが昔は組手争いは執拗にやったと。
多少はあったが、今ほどでなく折り合いを組んで勝負していた。
などの感想を言っていました。
私等は組手争いが執拗に行われるのに違和感を感じて観戦していました。
世界普及が創始者、嘉納治五郎の願いでありそれは達成されましたが柔道経験者の中に今の柔道は柔道でないという人がいます。
普及していくとともに競技化が進み「乱取り」と言う稽古が競技に特化したためにその弊害が出てきたのだと思います。
道着の乱れは正すこともなく、昔みたいに正座して直しません。
礼儀作法を重んじる様子は見られなくなりました。
今後日本柔道はどうすれがいいのかと思いを馳せると、やはり気になるのが競技人口です。
フランス80万に対し日本は20万人、総人口で見ると日本の半分の人口で80万人、普及率として見るといかに日本が少ないかわかります。
今年から武道必修化で中学で授業として行われるようになりましたがその波及効果が出るでしょうか?
私、甚だ疑問に感じています。
その一番の理由として挙げられるのが親たちの武道に対する考え方の変化。
私等の親達と比較すればわかります。
「武勇を尊ぶ気風」の喪失です。
合気道部に入って1、2年生の頃は膝行と言う合気道独特の稽古があり膝は血だらけになり、 血だらけの道着を洗濯してもらうのですが母親などは理由を聞いてきませんでした。
理由は簡単、武道は厳しい稽古をするものと理解していているからです。
今の保護者にあたる親たちにそのような認識は持ち合わせていないように思えるのです。
まして厳しい鍛錬に耐えるには多少の危険が伴い、そんなことはさせたくないとの風潮もあり武道へ印象が良くないのではと感じています。
折角、武道必修化となったわけですから、柔道関係者その機会を生かし父兄に武道の理解を高める為大いなる努力が第一歩だと考えます。
オリンピックで多くのメダルを取る事ばかりに気を取られず足元を固め、フランスに見習い指導体制を確立し、正しく武道の意義を知らしめる作業が大切ではないでしょうか。
将来を見据えれば!!
先ずはその第一歩、柔道のメダリストが手分けして全国の中学校に出向き模範演武などはどうでしょう!?。
コメントの返信で触れましたが、日本柔道岐路に立たされる!
>日本柔道、戦略的方向転換が迫られる状況に陥っていることは間違いないようです。
「柔道」を貫くか、「JUDO」に徹するか。
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