9・11から10年が経った今年、ナショジオで特番がありました。
2006年アルカイダが仕掛けようとした航空機爆破テロ計画を阻止した経緯を再現した番組です。
いつもながらチャンネルを回している最中に「液体爆弾」なる画面を見て関心が湧き観だしたのです。
ロンドン警視庁がイギリス国籍のパキスタン人に不審な動きありと察知し彼の行動を監視することから始まりました。
その人物の名はアリ。度々のパキスタンに出向くことから帰りの入国手続きの際、彼の荷物検査を入念に行います。
時間を掛けると怪します。
手際よく荷物を撮影、その中のTAN(タン)と呼ぶ粉末飲料がどんな使われたかをするのか注目されるのです。
彼を24時間監視するために、自宅前から撮影を開始。
コード名がライオンロアー。
逐次、どこへ行き、誰と会うのか尾行です。2006年7.15見たこともない人物と接触します。
驚くことはロンドン警視庁の捜査活動です。
さすが007のお国柄、国家の安全を守るにはこのような活動がないとダメですね。
アサド・サルワル、コード名がリッチ・フード。
コード名を付けて気づかれないための配慮、このあたりスパイ映画より緊張感があり面白くストーリーに惹きこまれてきます。
彼の役割、過酸化水素水の購入、濃縮して手製爆弾に使用されるもの。
テロリストたちはIEDと同じく工夫し様々な材料から爆弾を作るのは得意なようです。
アメリカ、イギリスは連携して捜査し、アルカイダの影を漂わすメンバーの指導者ラシド・ラウフが陰謀に加担していると目星をつけます。監視カメラ、盗撮するカメラなどでネットカフェでの通信を盗み見して、監視を続けテロの標的は何かを探り出します。
2006年7.26に隠れ家と思しき場所にアリが他のメンバーが集まっていた。
そのアパートに潜入し監視カメラを設置しますが、メンバーに悟られないようにと、侵入支援チームが各メンバーの動きを監視、その間暗闇の中で設置作業を行います。
これにより、ペットボトルの使用目的が判ります。
液体爆弾となるのです。
過酸化水素水とタン、それに起爆装置として使い捨てカメラ。
この爆弾をどのように使うのか、その使われ方を知り身の毛がよだつようなことでした。
確か、イギリスから北米行き7つの便を狙っていたのです。
それも、時刻表によれば、7機ほどが大西洋上に飛んでいる恰好になり実行されれば被害者約2千人に及ぶ結果となるのです。こうなれば戦争です。
このテロにかかわる人物は18名前後、この者たちを逮捕するためにイギリス当局は、メンバーの身元調査のため泳がせる作戦を立てます。逮捕のタイミングによっては証拠不十分となり、根絶やしにはできません。
チャート長官、時間が必要との判断ですが、目算を誤れば9・11に匹敵する大事件になりかねません。
この様子はブレア―首相、ブッシュ大統領に報告されて入れ両者連絡を取り合いながら作戦の進捗を見守っています。
緊迫した状況に身を置く首脳、やはり激務な仕事です。
その間、テロリストたちはビデオに遺言を残す作業をしていました。
発見しにくい液体爆弾です。
これを持って飛行機の乗る際、家族同伴で実行する様子、妻、子供を犠牲にする覚悟です。
恐ろしいことです。
ラウフなる人物がテロ指導者と判明、当局はラウフ、アリ同時逮捕を達成しなければなりません。
パキスタン政府がラウフを逮捕、イギリスではアリ逮捕に向けて作戦を展開、ある駐車場にいるアリを発見し出向くのですが、
武装警官が間に合わず、非武装警官が実行します。
アリ、観念したのかあっさりと逮捕されました。
画面からも、緊迫した雰囲気が伝わってきました。
この作戦行動でも、監視チーム、実行グループのチームワークの良さが際立っていました。
7月に不審は出来事から、テロと判明し8月には逮捕に結びつけています。
国家、国民の安全を守るために、国の機関が機能して未然にテロを防いだのですが、どのくらいの費用が掛かるのでしょうか。
しかし、テロの標的となっているアメリカ、イギリスは今後もテロ対策に重きを置き、国民を守るため活動を続けなければなりません。
もし、このテロが成功していたら、どうなっていたでしょう。
アルカイダ側は、士気が高まり、イギリス、アメリカには大きなダメ―ジとなったことは間違いないでしょう。
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