尚武のこころ 福沢諭吉が居合抜き!。

「尚武の心 三島由紀夫対談集」にその事が書かれていました。15年ぶりに居合の稽古を2020年10月から再開し、合気道、居合で学んだことのおさらいをやり始めて4年目を迎えました。この写真は今までに入手して来た武道関連の書籍の一部です。

若い頃買い求めた本を読み返し、見直ししようと思い立ちました。
まず最初に読み返したのが、
この本から再確認した事、武士たちは今で云う東洋医学の知識を持っていたということ。
武士である以上、強健な身体を持っていなければならない。
虚弱は武士にとっては死を意味するものでした。
従いに日常的の体を鍛える必要があったのです。
以上がこの本で再確認した事。

そのようにいろいろな本を読み返していく中、目に触れた本題が冒頭にあげた三島由紀夫の著書でした。
すぐに古本屋から取り寄せて、読みました。
発行が昭和45年9月25日、この2ヶ月後市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をしているので遺書みたいな思いを持って読みました。

その事が触れられていたのは、空手家中山正敏氏対談からでした。
対談のタイトル「サムライ」です。
次の様に書かれていました。
三島 いまの大学教授のはなしでもそうですが、私は日本の知識人というのがイヤでイヤで。日本の知識人は、薬と病気の話しかしないですよね。これは明治時代にはそんなことはなかった。福沢諭吉が、商人道徳の張本人のように言われていますけどね。彼は武家出身ですから死ぬまで毎日居合を抜いていた。晩年には毎日七百本抜いていたといわれます。こう言う一面があるからプラグマティズムの哲学も生きてくる。
中山 なるほど。」著書より。

諭吉は今で云う「インテリ」、三島由紀夫が言うように現在は、インテリと呼ばれる人は「身体鍛練」に関心なく、身体能力が低い印象を持ちがちですが、慶応義塾大學創始者は鍛錬の意義を理解し実行してい居たのです。
この記述には、私も驚きました。
私は会社の始業前10分ほど、木刀、杖の素振りをおこないます。
日曜日には道場で1時間半ほど居合の型の抜きますが、700本には遠く及びません。
鍛練のほどが想像できます。
正に対談のタイトル通り「サムライ」です。

日本剣道協会を創設した一人、須井詔康氏は居合の稽古目的を次のように述べていました。
戦国時代のように、斬り覚えで刀法を身に付けた時代から、江戸時代になると武士の嗜みとして居合が盛んになったとか。
稽古目的は、
1 足腰の鍛錬、立業、坐り技をおこなう。
2 刀の扱い方。刃筋の立て方。
3 逆腹式呼吸法、気力の鍛錬。
武士として、
強健な身体必要、体が虚弱は死を意味するので日常的に鍛練を怠らなかったのでしょう。
居合は理合を想定した一人稽古が主体なので相手が居なくても稽古ができる利便性がある。
正に心身の鍛錬です。

三島は次のように述べています。
「三島 ところがいまじゃ、経済学の先生がそういうことをやらんですね。
もう一つ、人間というものは大事なものがあるんだと、学問ができればできるほど、学問ばかりでは人間が片輪にしちまうんだから、もう一つ大事なものがあることを忘れてはいけない。この考え方を日本人の知識人はずうっと軽蔑してきた。これがゲバ棒にやられた最大の原因だと思っている。・・・」
頭脳を鍛えると同時に身体も鍛えることが大切と三島は言っているのでしょう。
今思えば武士階級の子弟は、論語、そして剣術と鍛錬して人間・人格を作っていた。
簡潔に言えば文武両道。

同じ学者である福沢諭吉との比較から今の学者の偏向性を指摘し、あの大学紛争時代、「ゲバ棒にやられた最大の原因がだと思っている。」と言わしめたのはこの点でしょう。

中山師範もアメリカのテンプル大学で経験した事は、空手の稽古する人の中には、50年輩、70年輩の哲学の学部長、理学部長、かなりの有能な東洋哲学の学者であり、原子力の学者であるというんです。と述べています。
彼の国の知識人、片輪にならない様に身体の鍛錬をおこなうと。

最近居合の稽古を再開して思うことは西洋人の方が、武道に対しての憧れが強く、真摯に学んでいます。
日本は武道をスポーツと見ている方がほとんどで西洋人の様に武道を「マーシャル・アーツ」と捉えて稽古に励んでいることを知るにつけ、戦後の偏向教育のツケを見る思いがします。

ある西洋人の道場で武士道の掛け軸を掛けて稽古しています、純粋に日本特有の精神を学ぼうとする気概を感じます。
「日本じゃ、右翼かと言われるだけ」に日本人の偏向を見る思いがします。

三島が言う。
西洋じゃ、右は正しいという意味である。
right 【形】 右の、右手の、右側の、右方の 〔事実に即して〕正しい、合っている◇【語源】人間は心臓の反…【発音】ráit【カナ】ライト【変化】《動》rights …

その通りでした。

 

 

 

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