従業員に受講させようと、申し込ませたのですが、定員になりキャンセル待ちですと返答がありました。
一瞬、「エッ」と驚きました。
この類のセミナーでキャンセル待ちという事が記憶になかったからです。
大抵は、参加者が定員に達せず、行員さんが人集めに奔走するのですが。
キャンセルが出たのでと担当者から連絡が入り、受講料を集金にお伺いしますと電話があり、
担当者、経理で集金を済ませ、私がいる川越第二工場に報告のため出向いて呉れました。
雑談の中、セミナーがキャンセル待ちになった事担当者も驚いていた様で、こんな経験初めてですと言っていました。
それに続き経営状況の報告のため月次報告書を彼に提出、経営について近況を説明、
川越第二工場が久しぶりに大口注文が入り忙しいこと、本社工場では受注予定より下回ったことなどを、昨今の景況と合わせての説明でした。
彼に気になる事として話したのが円高基調であること。
例として、自動車メーカーそれを受けて、現地調達を促進するとの新聞報道について触れたのです。
「日産 15年をめど 円高で現調加速」との見出し。
これから4年間です。その間徐々に国内生産は減少傾向に。
恐らく、同じような対応を各大手メーカーがすると思う、そうなると国内市場の需要が減り製造業関連の中小工場にはダメージになると話したのです。
今後は、受注獲得へ向けての戦略と、生産効率を高める必要がある。
当社としては、専門家を招聘して生産体制の見直しを検討しているとも話しました。
こんな状況を反映しているかどうか、正確にはつかめませんが各会社は恐らく厳しい状況を想定しているのではないでしょうか。
その様な景況を察し、セミナーにキャンセル待ちと言う状況が現出したと考えます。
優秀な人材育成が求められる時代になっているのでしょう。
セミナーのタイトル「幹部候補育成研修」と謳っています。
カリキュラム内容
1 信頼されるリーダーになるために
~リーダーシップの発揮の仕方~
2 先の先を考えて行動するリーダーになるには
~創造的問題解決~
3 経営の視点から発想し戦略的行動に生かす
~市場・損益分岐点・人事の視点~
この内容から、人材として会社の中核をなす人の受講が多いと思われます。
戦後、敗戦からの復興、高度成長をなしとげて、現在に至っていますが、企業も代替わりが進み、2、3代目と事業継承が進む中、各企業その準備とも受け取れるセミナーの盛況ぶりです。
今の日本、大震災復興、放射能汚染、政治迷走など社会が大揺れ状況、これから想像される景況を考えれば優秀な人材育成こそが生き残れる基になることと考えるのでしょう。
バブル崩壊後、すっかりと様変わり、当社に勤務する若い従業員は不況下で生まれています。
そんな時代があった事は体験していません。
そういう意味では、バブル時代の若者とは気持ちの上で違っています。
あの頃の様にチャラチャラはしていません。
時代背景が人の気持ちに大きく影響することを知らされます。
かれらに言う事、「会社はお金がもらえる所でなく、それは君たちの働きの代価としてある」と。
「会社はお金がもらえる所でなく」の記述は、60半ば過ぎの従業員がここ数年入社してきた若者を観た印象の一言でした。
「今の若い人会社はお金がもらえる所と思っている」と感想を漏らした時の言葉です。
徒弟制度で技能を習得し生活を立てた体験からそう感じたのでしょう。
平たく言えば、自分で稼ぐとの意識があったからでしょう。
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