工場の節電対策

東北関東大震災の影響で、福島原発が大被害を受け動作不能に陥り、放射能汚染が問題になってきており、

それを受け、世論が原発に対し反対との機運が高まる中、中部電力浜岡原発が停止になってしまいました。

夏場の電力需要に対し、不足が予測される中政府は、家庭、会社、工場に節電の協力要請を発表しています。

当社では、変圧器保安を委託している方に、1ヶ月ほど前にどのような対策があるのか相談しました。

その方は、まずは電力需要のデータを見てから回答しますのでしばらく待ってくださいとの事、その後データを作成しましたので説明にお伺いしますと連絡がありました。

 

 持ってこられた資料は5ページあり、次の項目を5年間分グラフ化してありました。

 

  1. 最大需要電力量(単位:KW)
  2. 月別電力量(単位:KWh)
  3. 電力量料金推移グラフ
  4. 月別電気基本料金
  5. 月別電気1KWhの料金単価(金額:円)

 

保安担当者より、詳しくご説明頂いた内容が需要電力量の測定方法でした。

当社の場合、平成22年9月(実際は8月)がピークになっています。

これの15%節電ですと、87KW以下に抑えればよいですよと。

 そのためにはと、デマンドメーターの仕組みを教えてくれました。

赤矢印で示すメーターは最大需要電力計、30分毎の最大需要電力量を示すものです。

例えば、

9:00~9:30

9:30~10:00というように、

その時限内に電力消費の高い装置、当社でいえば作業場にあるエアコン、それを同時に使うとそれが需要電力量と測定されるので、同時使用を避けて30分ずらして一台づつ使用するようにしなさいと助言を頂きました。

その際、実例を挙げてくれました。

あるエビフライ工場ケース、

1000KWの電力を使う工場です。

揚げる際に使用するヒーターが2基あり、同時使用は避け30分ずらして稼働しなさいと。

それにより節電効果が上がり、料金が年間300万円ほど下がったそうです。

 

やり方としては、

1台目 8:45に稼働させ、2台目9:15にすれば、時限内測定の需要電力量は1台分とみなされます。

それにより、使用電力量のピークを下げることができ、料金計算の基準となるピークが下ることで節約につながると説明をしてくださいました。

エアコン稼動の際、起動電力が高く同時に使うと大きな電力を使うことになるからなのでしょう。

 

その時限内の需要電力量の計算は次の通りです。

表示は小数点第3位で示されています。

写真で見て取れる数字が、0.289。

0.289×240(乗率)=69.36KWとなります。

当社は100kwの変圧器なので240となり大きさにより乗率は変わります。

この数字、節減目標の87KWを下回ります。 

メーター.jpg黒矢印で示すメーターは動作状態を示し、現時点での電力量を示します。

測定方法は、点滅する丸印のサイクルタイムを計り計算します。 

例えば、当社の場合、サイクルが2.6秒でした。

120(乗率の半分の数値)÷2.6秒=46.15KWとなります。

メーターの見方を教えていただいたので、電力量のチェックをし節電をしようと考えています。

 

しかし、この節電要請が様々な形で波紋を呼び、中小の工場などでは生産低下を余儀なくされるケースも起こり、

また、夏場に向けて暑さ対策も講じられています。

扇風機が前年比400%の売り上げになっているそうです。

当社の場合は暑さ対策が頭の痛いところ、作業場には大きな乾燥炉が2基設置され、エアコンがないと困るのですが、

設定を28℃くらいにして様子を見るつもりです。

 

でも、電力消費の見直す切っ掛けともなるのではと思います。 

 

 

 

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