もう一つの鉱山生き埋め事故

夜、地上波テレビを見ていると、「もう一つの鉱山生き埋め事故」と言い、
チリ サンホセ鉱山落盤事故の8年前に起きた事故と紹介していました。
2002年7月24日、アメリカ、ペンシルバニア州、キュークリーク炭鉱で9人の作業員が坑内に閉じ込められる事故が発生しました。
画面を見た瞬間、「チリ鉱山落盤事故、救出劇」のブログの中で紹介した事故と同じだとわかりました。
地下水が坑内に流れ出して、出られなくなった様子からわかったのです。
そうか、アメリカの炭鉱の事故だったのかと。

 

番組の最初、閉じ込められた9人の仲間、ランディー フォーグルをリーダーとしてチームワーク抜群のチームと紹介していました。
冒頭、このことを言っていたのは、全員が助かることに繋がった事だったからです。
坑内では石炭の掘り進める時、地下地図を頼りに掘る場所を決めるのですが、その地図が改定されておらず、作業員がシャベルカーで掘ると地下水が一気に噴き出し流れ込んでくるのです。地下水が2億5000万リットルの溜まっていた場所に穴をあけてしまった
からです。
これにより、外へ出る道は閉ざされ坑内から出られなくなります。
水温10℃、低体温症で生死にかかわる状態に追い込まれます。
地上では異変に気づき、安否を気づかう中、9人が生存しているかの確認をどうするか、
地下水が止まらなければ、溺死の危機に瀕してしまう。このような状況でどう救出すればいいかと対応を開始します。
責任者であるジョーは作業にあたる者に、絶対全員を救出するぞと、ボードに「9 FOR 9」書きなぐります。

 

閉じ込められた9人、水かさが増え首までの高さまでに水位が上がってきます。
高い場所へ移動して避難場所をみつけ、難を逃れます。
地上では、9人がどのような行動をとっているか皆目見当がつかない中、救出の指揮を執るジョーは生存していれば、高い所へ逃げているはずと判断し、探知機でその場所を特定します。
掘削機で75メートル掘るのに2時間を要します。作業は進み坑内へと近づいてきます。
近づくにつれ、閉じ込められていた作業員に掘削の音が聞こえるようになります。
救出していることがわかり、歓喜の声が上がりました。ドリルが貫通して坑内へ到達。
事故が発生して8時間が経過していました。
ドリルを使い地上との交信、ハンマーでドリルを3回たたき生存を知らせ、次に生存者の数を伝えるために9回叩くのです。
地上では生存が確認できて安堵します。

 

救出するためには、トンネルを掘る大型ドリルが必要、手配に12時間かかり、
その間閉じ込められた人たちをどう守るか作戦をたてます。

ますは、空気の確保、酸素レベル21それ以下であれば生存ができない。
地下水も溢れ出し、水位が上がらないようにしなければなりません。
地上ではポンプを使い、汲み出しを行い懸命に作業にあたっていました。
空気調整の専門家が、エアーポケットの圧力で地下水を押し戻す方法を取ります。
地上では、家族が集まり救出作業の様子を祈りながら見守っています。
作業員の中にはもはやこれまでと思い、段ボールの切れ端を使って遺書を書きます。リーダー、ランディーを除いて全員が書きました。
エアーポケット作戦は功を奏して、酸素を供給し水位を抑え込みます。
25日には大型ドリルでトンネルの掘削作業を開始、ドリルの音の響きは閉じ込められた作業員にとっては希望の糧に。
しかし、トラブルが発生、固い岩盤にぶつかり大型ドリルの刃が折れてしまったのです。
作業が止まって5時間が経過しています。
折れたドリルを直すために道具が必要、一刻を争う作業です。

 

この事故はテレビでも報道されていて、それを知った町工場のオヤジさんがドリルを取りだす道具を作って現場に駆けつけます。これにより折れたドリルの先端部を取り出すのに成功しました。トンネル掘りの再開です。
救出を待つ作業員は絶対助かると励ましあっていました。

空気調整の専門家が、責任者であるジョーにある不安があると言います。
トンネルが通じると空気が抜けて、地下水が上昇し9人を襲うかもしれない、
それを聞いてジョーは決断します。
実行する事を。この決断でトンネルは通じ、心配していた水位の上昇は起こりませんでした。
7月28日0:55分、胸の痛みを訴えていたランディーがカプセルに乗り最初に救出され、全員が無事に地上へ到達します。
救出作業を見守っていた家族、救出にあたっていた作業員全員が歓喜の声を上げます。
事故発生から78時間、3日間の救出劇でした。

 

防災危機管理アドバイザーがコメントを話していましたが、金属鉱山により地質の違いで炭鉱は崩れやすくチリの鉱山より危険が高かったそうです。
コメントの中に、555の原則があり、酸素5分、水5日間、食糧50日間の供給がなければ命は持たないとの事。
このような事故に遭遇した時、ボスでなく、リーダーでなければならないとも言っていました。
リーダーの要件として、・ルールを作る ・組織を作るなどと、人望がなければうまくいかない。グループ内で派閥ができて揉め事が起こりやすくリーダーを必要とするとも言っていました。
冒頭に書きましたように、チームワーク抜群と良いリーダーが居たことが助かった要因です。
3日の間、食事ができたのは作業員の一人であるトーマスが持っていた弁当のサンドイッチ。
みんなで分け合って食べたそうです。

 

臨床医がコメントで、アメリカ、チリの共通点として心的外傷後ストレス障害(PTSD)が起こるようです。
フラッシュバック、回避、身心症状が出ると言っていました。
従い、ケアーが必要にもなると。
ケアーで最もよい方法として、話をよく聞いてあげて、激励は避けた方が良いそうです。
うつ病の方の対応に似ていますね。

この事故の経験から、作業員の一人は大型ドリルを作る会社へ転職していました。
それが、チリ鉱山の救出に使われたそうです

この事故さらに共通点があります。
良いリーダーが居て、絶対助かると信念し励ましあったことです。
難局に際しては、グループ、組織には良いリーダーが不可欠と言うことです。

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