「久しぶりの再会」ブログに登場したT氏から電話がありました。
T氏は長く塗装設備会社を経営されていましたが、現在は隠居の身です。80歳になっても、経営者として培った知識、見識などはいっこうに衰えず時事問題に関し色々と見解を述べられるので、私にとってはとても勉強になります。
今でも、枕元に十冊ほどの本を置き就寝前には必ず読書しているくらい知識を吸収しています。見習う点と感じ入った次第です。
電話での最初の会話が、国会答弁における財務大臣の発言についてでした。
「株価は上がったり、下がったりするもの」と答えていたことに評論家じゃあるまいし、財務大臣が言うべき言葉じゃない。株価下落をどのように対処するか具体的な説明が無いことに憤慨していました。
アメリカは自国で起こした問題だが、サブプライムローン対策で金利引下げなど、具体的、リアルタイムに迅速な対応をして何とか解決しようとしているのと比べて思ったそうです。
私がブログで、イージス艦の事故を取り上げたことを話すと、それについての見解を話してくれました。
内容はこうです。
「雨が降ったからといって、船内見張りにしていたことなどたるんでいた事は艦の責任もあるが、イージス艦は昔で言えば駆逐艦、8千トン、9千トンある船は小回りが利かないのだから、軍艦優先のルールつくりも必要、有事の際、軍事行動をとらなければならない事を考え合わせれば」と話してくれました。
戦前、戦中、戦後を生きてきた人だけに、私には思いつかない視点で見ているなと感じました。
私などは、太平洋戦争と習っていますが、T氏必ず大東亜戦争と言います。その時代に生きてきた人だからこそ、そのように記憶しているのでしょう。今で言う高校生ぐらいの年で敗戦を迎えた年代です。
当然かもしれません。
更に会話は続きました。
T氏が言うには、イージス艦事故報道は一方的に悪いような論調で、海上自衛隊を非難しているが事故は両方に責任があるのではともいいました。
そういわれてみれば、事故当日他の漁船はイージス艦が通っているのを見て回避していたのに、事故にあった漁船はどうしていたかなどあまり報道されていないような気がします。
あんな大きな船が、何故見えなかったのだろうかと思うと不思議に感じます。
話は逸れますが以前、敗戦の混乱期に見聞した話をしてくれました。
ある駅で、警官が買い出しなどで不正に手に入れたヤミ米の調べをしていた時、ある子供連れの主婦がヤミ米を持っていたため、米を取り上げられていた光景と出くわしたそうです。T氏はなんて情け知らずの警官だ、その時T氏はこの国はなんていう国だと怒りを感じたそうです。
確かに法に触れる事かも知れませんが、家族のためやっとの思いで手に入れた米を何故取り上げるのだという思いに駆られたのでしょう。
T氏の性格が読み取れる経験談です。
筋を通し、正義感が強い性格なのでしょう。
私はいつもT氏の見解について、バランスのよさを感じます。
イージス艦事故でも、私はイージス艦の方に責任があると判断していましたが、T氏は前述した通り、
国防の視点で、海上自衛隊の役目を考慮し軍艦優先ルール作りを話していました。
戦前を経験した人から見れば当然なのかもしれません。
またT氏からは、頼まれたことがあります。
今は経営されていませんが、今まで培った塗装設備技術(特許も相当ある)を埋もれさせるのも勿体無いからそれを生かせるような設備屋を紹介してくれと言われました。
気にかけてお役に立ちいと思います。
「亀の甲より、年の劫」という諺がありますが、T氏にあてはまる言葉だと思います。
これからも、お付き合いしいろいろと教えていただければと願っています。
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