”細菌戦のはしり” 南北アメリカ大陸でイギリス人、スペイン人がした事。

4/13のネット記事の見出し「新型コロナで中国と欧米諸国が立場逆転の皮肉、物資支援にも苛立ちも」との見出しから、記事を読んで思い出したことがあるのです。
それは、感染症を使って南北アメリカ大陸の先住民を殺戮した歴史でした。

ネット記事には次のように書かれていました。
「ベストセラーになったジャレド・ダイアモンドの著書『銃・病原菌・鉄』によれば、大航海時代にヨーロッパ人が南北アメリカ大陸を征服したのは、病原菌を持ち込むことによって原住民を殺戮したからです。それがいまは中国からもたらされたウイルスによって、かつては病原菌で他国を征服した欧米諸国が“支配”されている。あまりに皮肉な構図が繰り返されているのです」(篠田さん) 」記事より。

この記事から、20年前に読んだ「残虐の民族史」に書かれていた内容がその記事とダブったのです。

P138に書かれていた”細菌戦のはしり”の内容です。
司祭ラス・カサスは、1524年~1540年で、スペイン人は400万人~500万人の原住民をこのような方法で殺害したと述べている。
こうしたスペイン人の残虐性は、かってスペインが異教徒に占領され、その国土を数100年かかって奪い返したという過酷な過去を経てきたからだ、ともっともらしく説明されることがる。しかし、民族の絶滅を目的としたこれほどまでの残虐行為は、世界史上、類を見ない。
コロンブスが15世紀末に新大陸を発見(?)してから、スペイン人が17世紀にメキシコを征服するまでに、百万人を楽に超えるほどだったインディオ(中南米の先住民の呼称)の人口は7万人に落ち込んだでしまった。南米コロンビアのパンプロナ地域では、3万人を超していたインディオの人口が、18世紀末までに3千人未満になってしまったという報告もある。
インディオの人口が激減したのは、ヨーロッパ人による征服と虐殺だけが原因ではない。ヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘、水痘、はしか、結核、インフルエンザなどの病気に対して、インディオと呼ばれた先住民が何の抵抗力を持ち合わせていなかったためである。
彼等は、これらの病気の蔓延はを神の怒りのようなものと理解するほかなかったようである。周囲の人が死んでいくと、生きている者まで気力がなくしていった。こうしてヨーロッパ人による征服は容易になったのだった。・・・」本より引用。

さてイギリス人はというと、
「・・・征服者にとってはこれほどの武器があるだろうか。先住民たちは何が何だか分からないうちに死に絶えていった。原因が分からないのだから憎しみも湧かない。憎しみがなければ抵抗もできない。南北アメリカ大陸で、インディオやアメリカ・インディアン(北米の先住民の呼称)が少数派になり、ヨーロッパ人が多数派を占めるようになったのも、疫病が一役買ったのである。
この武器を、ヨーロッパ人は有効に生かしたのであった。
歴史は少し下るが、北アメリカにやって来たイギリス人は、天然痘患者などを使った毛布をインディアンに渡して意図的に疫病を感染させた。人間は誰でも、数多くの雑菌を持った細菌散布器のようものである。これらは”細菌戦のはしり”とも言えるのである。・・・本より引用

出典:国立感染症研究所

今まさに、斜線文字の記述の様相が世界に起きてしまっている状態、
テレビのドキュメンタリー番組で「毛布で感染させる場面」をみたことがあり、酷いことをするもんだと思ったものです。

この本を買った動機も、そのような記憶があって関心を呼んだのでしょう。

翻って、新型コロナウイルス対策でヨーロッパは4/3現時点で、
「ヨーロッパでは新型コロナウイルスの死者がイタリアに続いてスペインでも1万人を超え、深刻な状況が続いています。WHO=世界保健機関は、ヨーロッパで死亡した人のうち95%以上が60歳以上だとして、高齢者は重症化する危険性が高いと警鐘を鳴らしています。ヨーロッパでは2日、新型コロナウイルスに感染して死亡した人がイタリアで新たに760人増えて1万3915人になったほか、スペインで新たに950人増えて1万3人になりました。また、フランスでも4503人となっています。
このうち、イタリアに続いて死者が1万人を超えたスペインでは、この6日間で死亡した人が倍以上に増えるなど深刻な状況が続いています。」ネット記事より。

因果応報というか500年以上前からにヨーロッパ人がしたことが、今わが身に降りかかり同じような目に遭っていることを「立場逆転の皮肉」と記述したのでしょう。
「立場逆転」と言っているのは、彼らの東洋人に対して人種差別的な意識があったことを示しています。
日清戦争で日本に負けた19世紀末期から、ヨーロッパ人は中国を食い物にした歴史的背景があり、今、ヨーロッパは中国の助けを借りなければならなくなったことを指しているのでしょう。

ここに来てトランプ大統領、WHOを抱き込み中国がウイルス発生を隠蔽したのではと糾弾していく方向に向いています。
発生当時から、武漢市にウイルス研究所がありそこからウイルスが漏れて感染したのではと憶測されていました。
中国は独裁体制もあり強権を発動してウイルスを抑え込みました。
トランプ大統領は中国を「放火犯が消防士のふりをしている」と非難する気持ちもわかります。
日本では、4/8に非常事態宣言で「三密」の要請をし、外出は控えるようにと、また、東京都では小池都知事が毎日テレビで呼びかけますが終息の気配がまだ見えてきません。
自営業をしている私にとっては、経営面で大きい負担を強いられるのではと懸念される状況になっています。

武器こそ使用していませんが欧米諸国は「戦時体制」です。
アフリカ大陸では公衆衛生面が不十分な面があり拡大が心配されています。
4/15時点でアフリカ大陸では、
「アフリカ大陸でも新型コロナウイルスの感染が急拡大してきた。感染者数の合計は4月上旬に1万人を超えた。大半の国は医療水準が低く、治療に必要な機材も不足している。アフリカで感染がまん延すれば、北半球など他地域に再び持ち込まれて感染の「第2波」をもたらす可能性もある。米ジョンズ・ホプキンス大の調査によると、アフリカでは3月末から感染者数が急増した。4月最初の1週間で2倍となり、6日には1万人を超えた…」ネット記事より。

まさにウイルスと人類の戦いの様相です。
冒頭、記述したように”細菌戦のはしり”生物化学兵器としてみると恐ろしいものです。
「人間は誰でも、数多くの雑菌を持った細菌散布器のようものである」
上記の言葉、実感します。

 

 

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