イタリア、小さな村コロンナータに合気道の道場が!

日曜日、いつものように何か面白い番組はないかと、チャンネルを回しているとBS日テレで「イタリア、小さな村の物語」と題した番組が放送されていました。

気を惹かれたので、見ることに。

その村に住んでいる人たちを紹介する形で構成されていました。

最初に目にした場面は、大理石の採掘現場の様子。

現場責任者と紹介されたフランコさんの生い立ち、仕事の様子を紹介していました。

代々、大理石採掘を手掛けている家系のようです。

仕事として、働く人たちの安全管理が任務のようで、採掘現場の様子が映し出されます。

大理石を採掘している現場は、洞窟になっています。上が崩れないよう長いジャッキを用いて天井になる部分を支えています。

何かのはずみで崩れる可能性もあり、安全に気を配っています。

彼が言うに、ほかの仕事がしたいという誘惑に負けないのは村の暮らしがあっていること、採掘仕事を親から教えてもらい使命感もあると。

そうして採掘された大理石、加工工場へと運ばれ、彫刻、洗面台、など様々な製品が作られています。

自分達が採掘した大理石が製品となった完成品を見るのが楽しみの一つであると紹介されていました。

 

次に登場してきた人がイタリヤの独特の食材を造るラルド職人、ファウストさん。

17年前にこの道に入り、手作りにこだわり製造販売しているようです。

都会生活から離れるためにこの仕事を選んだようで、スローライフな生き方を望んでいたようです。

ラルドは豚の背油をハーブローズマリー、胡椒と一緒に塩漬けにして半年間大理石で造られた容器に寝かせます。

出来上がったものを見るとベーコンに似ています。

出来上がったラルドは仲間たちと試食しながら出来について懇談することも楽しみとなっているのです。

ハーブなども自分で採取して吟味しています。

出来上がったラルド、真空パックし自分のブランドの証しとしてラベルを貼り出荷します。

このように手間暇かけて作られたラルド、評判が良いようです。

このように、小さな村でゆったりとした生活を大事にしているファウストさん。

日々の生活に満足しています。

 

次は、お土産屋さんを営んでいるナディアさんが紹介されます。

観光客が、ある編み物の品に興味を持ち、買い上げます。

実はその編み物、今では村で二人しか知らないこの地方独特の編み方で編まれたものです。

その技術を伝えようと、学びに来た女性を紹介していました。

このように、伝統的編み方が守られているのでしょう。

 

場面は変わり、再びフランコさんが登場します。

おふくろさんと一緒に食事をするために実家へ帰った場面です。

親父さんを2年前に亡くし、独り身のおふくろさんを慰めるため料理を作ってあげるのです。

倅に作ってもらった料理を舌鼓、臆面もなくおふくろさん、画面で倅の料理の腕前をほめます。

倅、ほめられて困惑していましたが、親バカぶりが微笑ましいです。

おふくろさん、早く身を固めてほしいと言っているので、まだ独身のようです。

 

その場面から、変わって映し出されたシーンに日本語「禁煙」の文字、「えっと」、驚いているとフランコさんが通っている合気道の道場なのです。

さらに驚きです。イタリアの小さな村に合気道道場があり、10人弱の練習生が稽古しているのです。

それも、指導者かなり技ができるのです。

これまた驚きです。

どの師範について合気道を習ったのでしょうか?

年齢は様子から判断して、ほぼ私と同じか、年下と思われます。

横面打ち小手返し、四方投げと指導していきます。

技の動きから察するに、かなり前に習った様子が伺えます。

その証拠に、四方投げに入る動作、腕をつかんでから一気に体を180度転換して投げています。

イタリア人の方がまともに合気道を稽古していると感心しました。 

 フランコさん、合気道をならって数年?以上は経っているみたい。

合気道を習い、その精神性を学んだ事として今の自分の仕事の感想を話していました。

「大理石の採掘をしているが、これは自然の恵み、収穫と思い、感謝の念を以て採掘する気持ちになった。

その様な感謝の気持ちで、採掘していれば危険も避けられるのでは」と言うような話をしていたのです。

合気道、今でこそ知られていますが、私が合気道部に入った頃昭和40年、日本でもあまり知られていなかったのが半世紀も経っていないのに、

イタリアの小さな村に合気道の道場があるのです。

普及する速さに本当に驚きです。

稽古に取り組む姿勢がまたいい!!

武道に対する考え方見方、外人の方が素直に思えます。

 

 開祖植芝盛平、合気道の哲理は神道の精神性を基盤にしています。

自然と対立する西洋的な考えではなく、自然と調和し、自然に対して畏敬の念を持ち、共生する考え方がイタリア人にも理解されている事に驚いたのです。

私の経験では、かえって外人の方が武道に対し真摯に取り組みその精神を学ぼうする気持ちは日本人より強いように思えるのです。

 

コメントが 2件あります

  1. 小ハセガワさんより2011年7月20日8:21 PM

    大変ご無沙汰しております。
    イタリアの合気道普及の件、拝読しまして改めて勉強になりました。
    と言いますのも、私も某ボランティアのお手伝い!?で、東南アジアへ訪問しますが
    彼らの武道に対する取り組み方についても、この日記と同じだからです。
    もちろん個人差ありますが、彼らの考え方については非常に良い刺激となります。
    これ以上書くと長くなりますので、またの機会にでもお話させて頂ければと思います。
    それでは、失礼致します。

  2. 上野2011年7月21日5:35 AM

    そうですね!
    ご無沙汰です。
    お変わりございませんか?
    コメントをお寄せ頂き有難うございます。
    小生のブログが参考になったようで、嬉しく思います。
    「武道に対する考え方見方、外人の方が素直に思えます。」
    と書き記したのも、小生の経験から見得てきた物なのです。
    学生時代の武道の部活は、上下関係が厳しくある面封建的と非難される事があり、
    皮相的な見方をされて、武道をするものイコール右翼的思想の持ち主と偏向的な見方をされていたと思います。
    今思えば、戦後の風潮で当時、進歩的文化人と称される面々がそれらしく批判したことにも拠るとかんがえます。
    卒業してから10年、合気道の稽古を再開する機会があって、先輩の紹介で茨城に有った?道場で稽古するようになりました。
    埼玉に住んでいましたので、月1,2回出向いての稽古でした。
    その道場には、諸外国から来て内弟子として修行する者達が大勢いてともに稽古した時も感じていたことです。
    それから30数年の年月が流れましたが、イタリア、コロンナータ村でも合気道の精神性が正しく伝わっているのを目の当たりにして驚いたのです。
    そこの指導者が開祖の精神を稽古から学んでいた証拠です。
    技とても、確りと伝承しています。
    翻って日本では技の伝承に歪みが起きていると感じています。
    日本の現状を知ればこそ、驚きと感じたのではないでしょうか。
    東南アジア方面で指導される機会がある由、
    偏見のない外人のほうが武道、スポーツの違いを受け止め、真摯に取り組むので、合気道精神を伝えてください。

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