テレビ番組表を画面で開いて見ると「無法松の一生」とタイトルが目に付き予約して置きました。
また映画を観るのと家族からは不評ですが、地上波のテレビ番組面白いのがなくつい関心が高いものに流れます。阪東妻三郎という俳優、昭和28年に亡くなっていて名前だけは覚えていましたが実際の映画を見たのは何時ごろか記憶にないのですが、映画として知っていたのは「王将」「無法松の一生」、映画ファンとしては高校生頃には知っていたと思います。それに息子、田村高廣、田村正和、田村亮3人が俳優になった事も知られています。
同時代の時代劇俳優として、片岡千恵蔵、市川歌右衛門、嵐寛寿郎、月形龍之介等がいましたね。
「無法松の一生」は三船敏郎を含め何度か見ていますが阪妻のはこれで3回目くらいでしょうか。テレビチャンネルが増えてこのような機会があることは子供の頃より映画館通いした私にとっては嬉しい限り。
無法松の一生という映画、名優と言われる人が演じています。三船敏郎、三國連太郎、勝新太郎等です。
男優として興味の湧く役柄なのでしょう。
乱暴で粗野でケンカっぱやいが、情に熱く、道理を話せば素直に聞く真っ直ぐ性格、演じ甲斐があるのだと思います。
映画のあらすじは、
「福岡県小倉(現在の北九州市)を舞台に、荒くれ者で評判だった人力車夫・富島松五郎(通称無法松)と、よき友人となった矢先、急病死した陸軍大尉・吉岡の遺族(未亡人・良子と幼い息子・敏雄)との交流を描く。
か弱い吉岡母子の将来を思い、(身分差による己の分を弁えながらも)無私の献身を行う無法松と、幼少時は無法松を慕うも長じて(自身と松五郎の社会的関係を外部の視点で認識するようになったことで)齟齬が生じ無法松と距離を置いてしまう敏雄、それでも無法松を見守り感謝の意を表し続けてきた良子との交流と運命的別離・悲しい大団円などが描かれている。」ネット記事より引用。
※大円団 意:演劇や小説などの最後の場面。すべてがめでたく収まる結末についていう。「―を迎える」大辞泉より。
一番印象的なのは、未亡人・良子への思慕、忍ぶ恋でしょう。
当時の社会的見識から、軍人の未亡人に思いを寄せたとしても車夫という身分ではその思いは告げないでしょう。
その設定がまた「忍ぶ恋」として観る側に切実に迫ってきます。
それがこの映画の魅力の一つにもなっています。
息子との関わり方も切なさを伝えます。
息子役は亡くなった長門裕之、時代を感じますね。
成長し「ボンボン」と友達の前で呼ばれるのが嫌で母親に言わないように松五郎に言ってと頼むのです。
母親、その事を無法松にいうのですが、「ボンボン」と呼ぶなと言われ困惑する無法松に「吉岡さん」と呼んでくださいといわれ一抹の寂しさを表わす場面などに惹きつけられます。
この映画で未亡人役は岩手出身の女優・園井恵子さんが演じています。
出身地を知ったのは知り合いのHPからでした。
巡業中、広島で被爆して33歳でなくなっています。
時が流れ学生となった敏雄が先生とともに小倉の祇園祭に見学に、祇園太鼓がもう聞けないのかと。無法松が山車に乗って祇園太鼓を叩きます。勇駒、暴れ打ちと技を繰り出すところがこの映画クライマックスシーンでしょうね。
男気あふれる生き様を描いているのが惹きつけるのでしょう。
家族への思い、思慕を明確に印象つけるのが死んだ松五郎が残した預金通帳、名義は敏雄、良子。
車夫をしながらこんなに貯めてと、任侠・結城重蔵(月形龍之介演ずる)ポツリとつぶやくところ等は泣かせます。
稲垣浩監督なる映画、名作です。
感動した余韻でしょうか、唄「無法松の一生」を聴きたくなり、YouTubeで検索をかけると沢山の歌手が歌っています。
美空ひばり、坂本冬美、都はるみ、島倉千代子等、その中で島倉の歌を聴いたのですが歌いっぷりがよく且つ島倉の特徴がしっかりと歌に乗っていました。
デビュー曲が「この世の花」、小さい頃から島倉千代子は知っていましたがそれを聞いてファンになりました。
奄美民謡で唄の稽古をしているからかもしれませんが「唄いっぷり」が素晴らしく思えたのです。
追記
園井恵子さんを更に調べようと検索を掛けると「無法松の一生」を的確に批評したページにたどり着きました。
映画ファンであれば納得のサイトでした。
それがこちらです。
はじめて見させて頂きました。また、拝見させて頂きます。
ブログを読んでいただき有難うございます。
また、訪問して頂ければ嬉しく思います。