大正100年の年

平成24年は大正の年号で言えば100年。
西暦1912年7月30日から大正と年号が改まります。

今年、そう言う意味で注目されてもいいと思っているのですが、マスコミ等で全く騒がないので何故なのかと感じています。

昭和43年、1968年は※明治100年にあたり、それ記念するかのように幕末の偉人を取り上げた雑誌などが出版されたと記憶しています。

※ 記念行事が各地で行われたようです。

明治から100年、敗戦から立ち上がり高度経済成長を成し遂げていた日本、そのような成果を高く評価していたと思います。

それが大正100年でくくると、円高による海外への企業進出、平成大不況、デフレ、産業空洞化等負の印象が強い。

大正は15年と短く印象が薄いことも影響しているのかもしれません。
しかし、私等の年代の親は大正生まれがほとんど。
先の大戦では多くの若者がお国のために命を捧げましたが、その世代が大正生まれです。
そのような特徴がある大正という年号。

それと同時に明治から大正に変わって100年の年月が流れています。
私には大きな節目となる年と感じていたのですが、ネットニュースで次のような取り上げ方をされていました。

 

「いまの危機は「忠誠心」の喪失に 文芸批評家、都留文科大学教授 新保祐司
2012.9.13 03:27 (1/4ページ)[正論]

 今年は、明治天皇崩御百年である。ということは、乃木大将の殉死からも百年である。9月13日の御大葬の日に乃木大将夫妻は自刃したのであった。明治大帝のご遺徳を偲(しの)ぶ文章や催事の記事は眼に入ってくるが、乃木大将についてはそれほど回想されていないようである。ここに現代の日本人の精神の重大な欠陥が露呈している。

 ≪没後百年、大事な節目の年≫

 「戦後民主主義」の呪縛から逃れ、日本人の精神の再建に取り組んでいかなければならない今日、乃木大将という人間とその精神をどう捉えるかは核心的な問題であり、それを受け継いでいけるか否かは世界の歴史に果たして今後、日本という文明が残っていけるかどうかの試金石となるであろう。

 昭和13年の、東京帝国大学の学生生活調査のうちの「崇拝人物」では、乃木は4位に入っている。1位は西郷隆盛、2位は吉田松陰、3位はゲーテである。以下、楠木正成、野口英世、寺田寅彦、パスツール、ベートーベンといったところである。今昔の感に堪えないが、これを戦前だったからといってすますことはできない。昭和45年頃のNHKの調査「私の尊敬する人物」の、やはり4位に乃木が入っているからである。

 だから、没後百年という大事な節目の年にもかかわらず、乃木が一般に回想されないという事態は、日本人の精神史に極めて大きく深い断絶が起きたということであり、これは日本の文明の深刻な危機を意味しているのである。

乃木大将を回想するといってもそれは、戦前の「軍神」としての乃木を蘇らせることではない。逆に「愚将」として批判された戦後の乃木像をもってよしとするのでもない。乃木大将という人物の核心を受け止めることである。」ネットニュースより。

 

この記事に触れて今更ながら思うことは、私等の親たちから見れば乃木大将は人格者と知られ有名人です。私等はそんな背景も有り物心付いた頃からその名と存在は意識にありました。
ブログでも触れていますが、60年ほど前だと思いますが親に連れられ乃木神社へ行ったことがあり、
自刃した部屋も観ています。
従い、記憶にはしっかりと刻まれて、後に切手収集などを始めましたが、乃木希典、東郷平八郎の人物切手を集めて認識を高め、更に映画「明治大帝と日露大戦争」を見ることで詳しく知ることになったのです。

203高地を攻めあぐねている乃木将軍を更迭する話が出てくるのですが、天皇は言下に「乃木を変えてはならぬ」と申し付ける場面がありましたが明治天皇と乃木大将の関係を示す内容となっていました。
天皇からの信任厚く、また乃木は天皇に対し深い忠誠心をもっていました。
明治天皇もそんな乃木に対し、臣下として大切に思っていたのです。
203高地の戦いで乃木は二人の息子を失うのですが、そんな彼を気遣って学習院の院長に選任し生徒の親代わりをさせ癒してあげるのです。
こんな関わりの意義、大切さを忘れた今の日本人を批判して「忠誠心」の本義を諭しているのでしょう。

 

こんな記事に触れ、思い出すことがあります。

10年くらい前でしたか先輩が主催した会で剣道連盟の大御所と話す機会を持ちましたが、
私に語った言葉「今の日本人、どっかの国の合いの子みたいで日本人と思えない」。

ご存命であれば100歳近い年齢の方、3代続く剣道道場の道場長でもあります。
そのような環境で育まれた精神の持ち主、そのように写るのも当然かもしれません。

乃木希典、水師営の会見の際、敵の将軍と武士道精神を以て接したことが世界的に有名にさせます。
彼の持つ精神性をもう一度見直し、日本の精神文化を思い出せと記事は訴えているのでしょう。

 

 

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