チリ鉱山落盤事故、救出劇

8月にチリ、サンホセ鉱山で落盤事故が起こり、地下700メートルに33人の作業員が閉じ込められる事件が起こりました。救出は年内までかかると言われていましたが、前倒しで早まりました。
オーストラリアの技術を借りて行った結果と言われ、その救出劇がリアルタイムで全世界に報道されました。

この時期に合わせるように、同じような事故を取り扱ったテレビ番組が放映されたのを見たのです。
詳しくは忘れましたが、状況はほぼ同じで以前にもこのような事故があったのでしょうか、
再現映像として作られていました。
落盤事故で、十数名?の作業員が地下に閉じ込められます。
状況は、チリ鉱山と違い、地下水が彼らを襲います。坑道の中、地下水を避けるべく地位の高いところを探し移るのですが、時間と共に水位は増してきます。坑道にあったブロックを重ねて水の浸入を防ごうとするのですが、水圧に負けて倒壊します。
もうだめかという時に、なんらかの原因で水位が下がるのですが、ほかの場所にいた仲間が凄い勢いで水が放出されるために動けなくなり助けを求めます。
リーダーが運搬車見たいな重量がある車体を噴出している水流へ突進させ水流を遮り、仲間の手をつかみ助け出します。
これにより犠牲者を出さずに済みますが、依然坑道に閉じ込められた状況には変わりがありません。
はたして、救出されるのかどうか全く分からない状況なのです。
食糧などが少なく、いつ助けに来るかわからいので制限をして仲間同士で分け合います。
その間、待っている状況下で作業員たちが揉めたり、喧嘩になったりと仲間同士で争いが起こります。
中には状況から悲観し、絶望から泣く人も出てくるのです。
そんな状態でも、リーダーは助かると作業員を励まします。

どのくらいの時間経過が有ったか忘れましたが、ある作業員が響く音を察知します。
これはドリルで穴が掘られている音とわかり、絶望の淵から一転して皆が希望を持つのです。
だんだんと音が大きくなり、ドリルが岩盤を貫通するのです。
早速、連絡をとろうと決まりである叩き方、ドリルを3回ゆっくりと叩き反応を待ちます。
そうすると、応答があり皆は歓喜し助かると確信を持ちます。
この辺の場面は、見応えがありました。
連絡不通の状況から、地上にいる人達と通信ができたのです。
希望がもて、助かると確信できた時どれほどの喜びであったでしょうか。
サンホセ鉱山と同じく、カプセルで救出するのです。
最後の残った人がカプセルに乗り、次第に上昇していき、カプセル見えなくなって映像は終わります。

恐らく、サンホセ鉱山の33名も再現映像と同じ様に、いさかい、喧嘩、絶望といろいろな感情が起こり心は大きく揺れたと思いますが、こんな状況下リーダーたるものが必ずいて仲間をまとめ上げるようです。
68日に及ぶ地下暮らしの中で、耐えきれる精神を持つために規律ある生活をするように日々の生活にメリハリをつけて時間を過ごしたのでしょう。
人間はボーっとしていると余計なことを考えて、平静さを失うことになり逆によくないのだと思います。
日々の生活を営むために班編成をし、それぞれがその任務を果たすという目的意識を持たせて張りがあるものにしたのでしょう。
非日常的な環境下でも、日常的に過ごそうと工夫したのです。
「人間は目的的行動をとる習性を持っている」とある本で知った事がありましたが、そうなんだなーと実感できます。
この事故で、大統領の支持率も回復しました。報道ではこの事故を利用して支持を取り付ける行動に出たとも言っていましたが、国民は世紀の救出を達成したことで大いなる満足感と誇りを感じたことでしょう。
全世界が注目する中で成功したわけですから。

救出を待つ間、耐えられた一つにコミュニケーションの仕組みを構築した点もあります。
作業員の生存が確認されたのは、17日後の8月22日とあります。
この連絡が取れない17日間に再現映像で見た事柄が起きていたと思います。
一番苦しかった時期だったでしょう。
ドリルで掘った小さい穴を通じ家族と連絡が取れ、その後光ファイバー線が開通し電話、テレビでコミュニケーションが取れるようになったのですから、「地獄で仏」の心境だったでしょう。

 

マスメディアは33名に注目し報道して、救出された人たちを追いかけるように取材をしいます。取材される側はある意味迷惑な事と感じて来ているでしょう。
取材に対し、お金を要求する人も出てきて、チリの現実を見る思いがしました。
報道で取り上げられている問題に、鉱山側の安全対策の不備、作業員の解雇、様々な事が浮かび上がってきました。

それとは別に、この事件の映画化、作業員の体験を本にするなどの話が持ちあがり、
作業員の思惑は金儲けに向いてきました。
仕方ないとは思いますがある作業員が言った言葉、自分たちの地下での体験は「特ダネ」と言いつつ、皆が地下での体験を語りません。
全世界が注目するこの事故、本が出版されればそれぞれに莫大なお金が入ることが計算されるのですから。
一冊2000円で売られれば、その10%が著作権として支払われるそうです。
1億冊売れるとすれば2000億円、その10%200億円が33名に入ることになります。
おいしい話です。
「黙して語らず」の行動に出た作業員の方を責めるわけにもいきませんね。

この事故で、作業員の方の生活の一面を知ることにもなり、人生様々と知らされました。
同棲している愛人、妻がいるのに恋人のもとへ会いに行ったなど報道されていて、
インタビュアーが50歳になる愛人に質問、「会ったら何をしますか」。
愛人曰く「二か月間離ればなれになっていたのよ、わかるでしょ、そんなこと言わせるの」と。これには笑いがでました。
ラテン系らしい奔放さが見て取れたのです。

ある作業員が語った言葉に「この体験は人生にとって大きな出来事、また人生の転機になる」とありました。
この事故が、それぞれの作業員にどの様な転機をもたらすかを想像するとよい方、悪い方へと働くように思います。
何せお金がらみの一件があり、自分の意志にかかわらず回りにいる人々の動きに引きずられる可能性が大きいです。
大金を手にして人生が大きく変わることは間違いなく、そんな岐路に立つとき一人一人がどう判断するかが決め手となるでしょう。

また、鉱山を運営していた会社も、事故を起こしたことでその責任を問われることと思います。

ネットのニュースで「作業員、落盤直前に異変を察知、脱出求めるも許されず」と報じています。

この一件の調査が入り、その実態が解明されるでしょう。

落盤事故発生の3時間前、坑内で「大きい音」を聞き、異変を察知して地上への脱出を求めたのですが。

このような大事故には予兆なるものが必ずあるようです。

この事故から教訓の一つを学ぶとしたら、「人は日々の生活でも、確かな目的を持つ大切さ」だと思います。
地下での非日常的な環境に耐えられたのは明確な目的に向かって日々を暮したことで、
生活に張り合いがうまれたからだと思います。
「志」、「目標」などは人間にとって欠かせないものなのです。

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