日本武士道史、読書感想

三冊目に借りた「日本武士道史」を読んだ感想文をメールして来ました。
電話で、お礼を言いそれを皮切りに、会話をしました。
私は弟子に、自分が武士道に関心を持った経緯などを話、彼との時代的背景の違いなどを説明しました。
彼は、さほど予備的な知識はなく、彼、本から学んだ事柄が心にしみるように入っていたのでしょう。
感想文から見てとれます。

私は彼にこう言いました。
「小さい頃は、娯楽的な時代劇が流行っていたが、昭和30年代後半頃には封建制度の問題点を突くような時代劇が作られるようになった。例えば「切腹」、「武士道残酷物語」、「拝領妻始末、上意打ち」など、忠誠心を逆用してその武士の人生を翻弄するような物語があって
、高校生の頃、そんな映画を見て、武士道に疑問を持つこともあったが、自分なりになりに咀嚼し大切なことと理解した」と。

やはり日本人なのでしょう、武士という言葉の響きに惹かれるのは。
強さにあこがれる子供の頃、そんな男になってみたいと思う対象になったのでしょう。
他に、時代劇でその頃流行っていたのは、「座頭市」「眠狂四郎」などが記憶にあります。
剣を取れば天下無敵。
「強さ」が常にテーマにあります。

感想文に「信義」「勇気」などの言葉が出てきます。
今、日常的にはほとんど使われなくなっている言葉と感じます。
以前、ブログにも書きましたが、精神性を示す言葉、「克己」「泰然」「従容」「悠然」など読める人が少ないこと自体、精神面に目を向けることがなくなって来ているのだと思います。
私自身は、大学で合気道部に入り、肉体、精神を鍛錬しなければと思っていました。
4年間でしたが、その期間の経験が根っ子となり、今もその時に学んだことが生きて、考え方にも良い影響を受けたと感じています。
合気道開祖は精神性に於いて、神道の影響が多くあり、記紀についても造詣が深く、合気道を通じて我々にその理念を教えています。
若い頃は、チンプンカンプンで話を聞いても全く分からず、正座をしてお話を聞かなければならないことがつらかった思い出があります。
しかし、30歳過ぎた頃先輩の弟さんから頂いた開祖の講話テープを何度となく聞いているうちに考えが理解でき、年と共に関心を持つようになり、今は少しずつですが、※大和言葉の意義、神道、記紀などの書籍を読んで勉強しています。

※教材として、25年前に購入した「コトバの原点」から学んでいます。音図表アイウエオを基に「事=言」の成り立ちを学び、言行一致の大切さを教えています。

例)ヤマとシマのコトバから、現象的には個々(山と島)の存在と見えても、マ語の次元では、同じ地殻(全)から個々のエネルギー現象である事を知った。従ってマ語という基語の性格は(語位相)は連続性(全)の中の個々のエネルギー現象と、一応定義づけることができる。そのマ語の位相は、他の語と組み合わされても、その原則は変わらない。

 

合気道と出会えなかったら、まず関心を持つことはなかったと思います。
精神文化として日本民族の原点とも思えるようになりました。

そう言う意味で、日本民族の骨格をなしていた武士道精神に関心が及ぶことはうれしく思います。
彼も感想文で書いているように、「覚悟」に強い関心が行った事、読んでもらった甲斐があります。

 

以下の記述は彼の感想文です。

「この本を読んでの一番の印象は、日本人の覚悟である。
以前日本人には、滅私奉公、七生報国の過程には死に物狂いの哲学があったようだ。
武士道とは日本独自の行動哲学だ!とこの本の冒頭にあった言葉であるが、それがいつの間にか日本人の心から失われてしまった。戦国武将の行動からは勇気と信義を見て取れた。”義のためには例え友であっても友情も捨てる”
という覚悟!また織田信長をして手も足も出なかったという家臣:稲葉一鉄の行動・・・そこには彼なりの哲学がある。それが、男心を擽る。

ところがいまはどうだ!多少の弾圧で志を変える現代人。そんな人間に誰が付いていくか。時勢に従い豹変する政治家・学者・文化人しかりである。(自分の事は棚に上げさせて頂くが(失礼))
金や名誉は欲するが責任感が無い。責任も転嫁する。よって問題も起こす。
本来の日本人には覚悟があった。それが西洋人から見れば美しくみえるのであろう!合理主義も否定はしない。が、心が見えない!

人を活かすためには人間力を磨く必要がある。それを怠った日本人は見事な1億総エコノミックアニマル、成金になった。
40年前、東京大学の大河内総長が卒業生に行った言葉「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ!」これが全く活かされることなく今に至っている。
今こそ武士道を見直せ!と問いたい。今の教育からそれを学ぶことが出来ない。では、どこから学ぶのか・・過去から学ぶしかない。温故知新である。昔の良いところを残しつつ新しい考え方であればよかった。ところが以前の良い部分は全て封印してしまった。
今こそ日本人が気づいてその精神を学ばなくてはならない。当時の武士は、社会正義、人のための哲学を持っており、それがぶれていない。君を通し忠誠を通して社会正義に通じるものであった。
① 武士道に於ておくれ取り申すまじきこと
② 主君の御用に立つべきこと
③ 親に孝行仕るべき事
④ 大慈悲を起こし人の為になるべき事

・ ・これを現代人はどう思うか。
武士道は、日本の行動と思想の基準を作ったのだ。
その武士道は簡単に得られるものではない。一生賭けての修行の道である。
勇気を持って立ち上がれ日本!そして覚悟と責任感をもって立ち上がったときこそ真の日本人の誕生である。そう感じさせた一冊であった。」

結びの言葉に、「勇気」「覚悟」「責任感」と記しています。
草食系男子なる言葉が流行る今の世相から見えてこない事を認識したのでしょう。

参考資料

 

2010_0817_141711-DSCN0629e.jpg武士道史e.bmp 

 

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