先月6月26日の事です。
当社川越第二工場の設備の一つ、デュアルポンプ作動に不具合が起きてその対策で、メーカーの技術者に作動回復の修理の依頼していたのがその日なのです。
ポイント、技術者関西出身者。
当社、担当スタッフを呼び、不具合の調査に立ち会せて、作業を見ていました。
1時間半ほどで、不具合の是正が済んで、作業内容の確認を済ませ、報告書に署名をした後、久しぶりの対面と言うことで、懇談が始まりました。
関西、特に京都のもろもろ(政治、歴史、地域的独自性)の話に、及んでいる最中にふと「ぜいろく」という言葉を思い出し、その言葉を知っている?と問いかけると、怪訝そうな顔をしたので、「意味がわからない?」と聞いたのです。
「聞いたことがない」との返事、私、「えっー」と云いつつ、小さい頃に映画で覚えていた言葉なので、私自身は知られている言葉との認識でした。
私はその事に意外と感じつつ、世代ギャップは何度も経験していたので、今では古い言葉なのかと思いました。
でも!?と言う思いが募り、「関西なのに、知らない?」と、「初めて聞いた!」と返答有、
それじゃ!「なにお!」と言いうような反感も起こらないねと私は話しました。
そして、スマホを持っていたので、意味を調べて貰いました。
それがその意義、
「贅六ぜいろく・・・
江戸っ子が上方(かみがた)の人をけなしていったことば。上方贅六という。もともと人をののしって毛才六(けざいろく)(青二才(あおにさい))ということがあり、その才六が江戸っ子ことばでゼエロクとなり、擬人化されたといわれる。才六はばか、あほう、つまらぬ者の意。1811年(文化8)に刊行された『客者評判記』には、「上方の才六めらと倶一(ぐいち)にされちゃアお蔭(かげ)がねへ」などとある。関西が長い文化の伝統をもっているのに対して、江戸は新興都市であったから、コンプレックスの裏返しの心理とみることができよう。贅はよけいなものの意であり、六も宿六(やどろく)、甚六(じんろく)などのように、あまり役にたたない者に対して、卑しむ気持ちを表現したことばである。」インターネット記事より。
その意味を知ってから、私にこう言いました。
「今時、関西人に使っても怒る奴はいないね。意味を知らないから」と。
この様な現象に出会う機会を多いのです。年齢から言っても2、30年以上年の差があるので仕方のない面はあると感じていますが。
その後、50代二人、70代二人と、他に何名か聞いたのですが「贅六」聞いたことがないのがほとんどでした。
こんな例から心配していることがあるのです。
今の日本人のボキャボラリーの不足、使う言葉の拙さなど、日本語を知らないのではと思わせる事例が多いのです。
ちょっと昔では「蜘蛛が宙返りしている。」、下町のか~ちゃんが、職人の旦那に稼いで来いとの意味で「米櫃が空の状態」を婉曲的に分からせる喋り方など、ちょっと機知に富んだ言い方をすることができたのですが、昨今ドライで言葉に味が無さすぎます。
笑点の司会者で、最近亡くなった噺家、落語家の桂歌丸が言っていましたが、日本語を使っての芸が落語、「怒らせる、泣かせるは簡単だが、笑わせるのは難しい」と話芸の技術を語っていました。
日常的にも、このような文化がある日本、ユーモアのセンスを落語から学んで、ユーモア、機智に富んだ話し方を心掛けるだけでも、「ギスギス」した昨今の風潮を和らげることができるのでは?
友人が教えてくれた言葉を思い出します。
「日本人は落語で『粋』を学び、浪曲、講談で『義理・人情』を学ぶ」と!
宴会芸レベルの芸をする芸人を、歌丸は「芸人ではない」と言い切る裏には、芸は時間をかけてこそ身に付くものだからなのでしょう。
文化はその時代を生きる人たちが作るものだと思います。
稚拙な若者言葉も今まさに築き上げられている文化として、
使用することにトライされている60代~90代の方々にも「粋」を感じます。
(例 孫世代とのコミュニケーションをとろうとして)
ただ
「今の日本人のボキャボラリーの不足、使う言葉の拙さなど、日本語を知らないのではと思わせる事例が多いのです。」
というコメントにはぐうの音も出ませんので、まずは落語に触れてみようと思いました。
20代男さん、コメント有難うございます。
私、この言葉映画で覚えました、進藤英太郎という役者がセリフで使っていたのを記憶したのです。
東映の時代劇だったと思います。
高校生時代は70歳過ぎの教師に、今の学生は漢字を知らないと言われた言葉が耳に残り、何故かと思うようになっていました。
戦前と比べると授業内容も変わり、漢文の授業が減ったからと当時は思いました。
昔は教養主義なる思想があり、読書によって理性、知性を培えと言われていました。
私の義理の伯父も会う度に本読めと言われたものです。
ボキャボラリーは読書で培われることは間違いないでしょう。
20代男さん、読書をお薦めします。
先ずは歴史書からと思います。