うたうこと

10年前から始めたのですが、趣味で「奄美民謡」を稽古しています。もともと歌は上手な方でなく、稽古することで、どの程度歌えるようになるかと、その一助になるのではと買った本のタイトル。

買った当時は、自分なりに必要と思われる内容を拾い読みして後述した練習方法の参考にしました。

特に印象深かったのは、以前までは認められていなかった「裏声・ファルセット」の練習の重要性を説いていました。

この事は、奄美民謡の裏声を使う歌唱に必要なので参考になりました。

 

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自分なりに発声練習の方法を構築するため、その前に「声とからだ」中原多代女史の本を読んでいたので、技術的な方法をわかれば上達は望めると踏んでいました。

「声とからだ」を読んで、「ベルカント」なる歌唱方法が日本人には向いておらず、声楽家の女史はコーカソイド人種でなく、モンゴロイド人種・日本人に合う歌唱方法の研究された方。

オペラで知った歌い方程度の知識はあったのですが、読むと結構面白くためになり、特にハミングの練習が私はとっては参考になりました。

ハミングだけの主題歌「七人の刑事」を思い出したもんです。

専門知識はなくても、東海林太郎、オペラ歌手田谷力三氏の話から腹筋の重要性は腹式呼吸には大事だと認識していました。田谷氏、高齢でも腹筋はボクサー並に硬かったと聞き及んでいました。

東海林氏は大腸がんの手術をしていたので腹圧を維持するためにさらしを巻いて歌っていたとか。

また学生時代に、古神道の修行で呼吸法を習っていたことも認識を深める一因でした。

いまになってみるとこの経験が上達する上で活きてきました。

息をゆっくり吐いて吐き切り(この動作が呼気を強める)数秒間とめてから、鼻からゆっくり吸う、またとめてゆっくり吐くを繰り返すのです。

何度も繰り返すうちに集中心が高まり心が落ち着いてきたもんです。

各本からポイントを掴み自分なり考えた練習方法が、

発声練習手順

1 腹筋の訓練

約1mの鉄棒(重さ5キロ)を両手に持ち、足を開いて体勢をとり左右180℃回転させて、垂直になる寸前腹筋、※両手に力を入れ一瞬止める。この動作を20回ほど繰り返す。

※ この時同時に腹筋を収縮させる動作を。

2 教室でも実施している「はっ、はっ」を30秒行う。

腹筋をできるだけ収縮させ、「はっ」強く発声した直後に腹筋を弛めると、

吸気は自然に行われます。呼気、吸気の訓練にもなっています。

3 ピアノの音を聞きながら「ハミング」を1オクターブ半音ずつ発声。

この時、共鳴、共振を意識して行う。

顔、胸、後ろ首など。

4 同様に「あ行」2オクターブ全音ずつ、2オクターブ目後半4音はファルセット(裏声)を発声する。

5 同様に「ナ行」1オクターブ、鼻にかかる共鳴を意識。

それから、6年ほど経った今、「うたうこと・発声器官の肉体的特質・歌声のひみつを解くかぎ」熟読してみようと思い、現在20ページまで読んでいます。さすがに確かな理解を求めて読みだすと難解な部分が多くすらすらと読めませんが、「うたうこと」に関してA4版で180頁ある本なのでいつ読み終わるか?でも継続大事ですね。

ここまで読んで関心を引いた事は、

〇 喉頭の構造。

その説明の中で特に注目したのが以下の記述、

声帯の縁は、調和的に配列された部分に分かれるのだが、調和的に分割されるということは、いわゆる「無用な」と考えられている美の感覚を生じさせるため以外には何の目的をも持ち得るものでない。話をするだけのためならば、こんなこみいったしくみはひつようでない。

〇 話し声、歌声の違いでした。

◆ ことばは知性の創作物である。科学は、「考えることと話すことはまったく同じ」

◆ 歌うこと―歌うこと自体―は常に本源的には感情の流出なのだ。・・・歌うことに必要な器官や筋群の非常に大きな集団(これに対比してことばを話す機構はずっと小さくうすっぺらである)はその衝動なしでは統合調整することができないといってもよいだろう。

この記述から、いかに歌詞の理解が必要か理解できた。

詩吟の稽古方法を観ていると、この原則に倣ってやっていることに気付いたし、民謡でも同様に情感あふれる(ハートフル)歌声にするには必要な事なのでしょう。

今まで伝承されている稽古方法をおさらいするのも大事な事と思われます。

先ず、大きな声を出すことが第一歩!

 

 

 

 

 

 

 

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