ブログのタイトル、社会強化運動に身を投じた後藤静香(ごとうせいこう)氏が昭和21年7月に出版された「権威」に載っている詩題です。
「民族の素質」
東西の文化の粋をつかみ
新たなるものを表現しうる民族
芸術に 科学に 工業に
世界の最高標準を追い
列国の選手と競い得る民族
敗戦の苦杯をなめても
民族の真価は変わらず
卑下するのを止めよ
爾の真価を見直したらざるを補い
誤れるを正し
民族本来の素質を生かせ
昭和21年7月25日発行とあります。
67年前に出版された本、あの頃の日本敗戦し国民は飢えていました。
生きていくのが精一杯の時代に、同胞を励まそうと作った詩なのでしょう。
この詩集「権威}は亡き母の師から20数年前に頂いたもの、たまに繙いて読むと勇気づけられる詩が目に付きます。
これもその一つ。
日本人、日本国が混迷している今、読んでみると先人たちが日本民族をどう見ていたか知らされます。
明治生まれの日本人、一味違う印象が!
明治維新から一気に近代国家になった日本、その歴史的背景から見えてきた詩の内容に感じるのです。
富国強兵の政策の下、短期間で西洋工業技術を取り入れ工業化に成功したが、これとて江戸時代から教育水準が高かったからこそできたこと。
同時代における隣国とはえらい違いです。
>卑下するのを止めよ
この一節、当時の日本人、敗戦によりヤケになって自信を見失う人達が多くいたのでしょう。
ですから、改めて民族の素質はこうであったではないかと呼びかけているような気がします。
戦後の占領政策で、日本民族としての本質を見失い精神面で基盤をなくしたままの68年、明治の御代の先人たちが一等国を目指した覇気が失われています。
だから、”卑下するのをやめよ”なのです。
それと国として国民の連帯感も希薄になっていますね。
“民族の素質”、現在の日本にも通じている詩ではないかと思います。
「 敗戦の苦杯をなめても、民族の真価は変わらず」
この一節、その通りと思えます。
しかし、戦後の教育で”民族の真価”が失いかけている。
経済成長は鈍っても、民族の真価は変わらずだ。
民族本来の素質とは何かと見つめ直せと語りかけてきます。
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