「女性宮家創設」の記事を読んで感じた事ですが、何故宮内庁長官がこのような進言をしたのか私には納得できない点があります。
皇室が連綿と伝統を守り続けている重みを理解していないように思えるからです。
皇室と神道とのつながり、皇室が行う行事は神道の祭事と深くかかわり3000年の歴史を繫いでいるのです。
このような伝統を繫いでいる国、日本に於いて他にありません。
この長官はその意義を理解していないように思えます。
どんな人物とネットで調べると次のような記述の記事がありました。
「・・・厚生労働省勤務時代は、風岡宮内庁次長とともに、ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」の顧客の一人として、
名前を挙げられる。宮内庁長官就任後は、任命権者であった内閣総理大臣(当時)・小泉純一郎と同じく、
女性天皇・女系天皇を容認する皇室典範に関する有識者会議の結論を支持している。寛仁親王が男系維持を希望する発言をした。・・・・・」ネット記事より引用。
1942年生まれでした。
年を知り、なるほどと感じたことは戦後教育で育った世代、古事記、日本書紀等皇室と関わる事柄に対して認識が浅い世代です。
日本が育んできた精神文化は神道に根ざしている事は間違いありません。
それを深く理解していれば、「男子一系」の重さに理解を示すはずです。
「宮内庁が、皇族女子による「女性宮家」創設の検討を「火急の案件」として野田首相に要請したことがわかった。
併せて安定的な皇位継承制度の実現も求めている。皇室典範は、女性皇族について、一般の人との結婚などにより皇族の身分を離れるとしており、女性宮家創設にあたっては、宮家の当主となる女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つよう、典範の一部を改正することになる。現在の皇室の構成は、天皇陛下と皇族方22人。男性皇族方7人のうち4人は60歳を超えている。
また、未婚の皇族女子は、天皇陛下の孫では皇太子ご夫妻の長女、愛子さま(9)、
秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さま(20)、次女の佳子さま(16)の3人、
昭和天皇の弟の三笠宮さまの孫にあたる彬子(あきこ)さま(29)ら5人、合わせて8人で、うち6人が成人されている。
宮内庁側は、今後、結婚により女性皇族が皇籍を離れるなどして皇族方が少数になると皇室全体の活動に支障が出ると危惧しており、
羽毛田信吾長官が先月5日に首相官邸で野田首相に直接、女性宮家創設により皇族方の減少をくい止めることが喫緊の課題と伝えたほか、政府高官にも同庁側から説明が行われた。」ネット記事より引用。
この記事からは、その意義を理解しているとは思えません。
>女性宮家創設により皇族方の減少をくい止めることが喫緊の課題。
というのであれば、皇籍離脱をされた宮家を復活する方向で検討すべきです。
マッカーサーの指令で戦後皇籍を離れた宮家は多く残っているはず、
また、その方々の中には今更と考える方もおられるでしょうが、逆に皇室の伝統に対して「大切な事柄」と認識されている方もおられると思うのです。
その様な方々に復帰を願い「男子一系」が守れる環境作りが急務と思えてなりません。
昨年読んだ「陸軍中野学校極秘計画」なる本に皇統護持工作を計った記述を読んだのですが、それに関した記述の一部を紹介します。
この計画の経緯を記述すると長くなりますので皇統を継ぐ人物として選ばれた方の説明だけに留めます。
「勝沼に疎開していた北白川宮道久王・・・・・・北白川の若宮殿下とは、北白川宮家第5代当主の道久王の事で、当時学習院初等科に通う8歳の少年であった。父親の永久王の母君・房子内親王は明治天皇の第7皇女で、昭和天皇の叔母にあたる血筋。道久王は明治天皇の曾孫にあたる血脈であった。・・・・・」この様に旧宮家には「男子一系」継続されている方がおられるのです。
血脈で言えば今上天皇と同じ明治天皇の曾孫です。
追記H24.3.29 「・・・北白川宮家を継いだ成久はパリ留学中に事故で早世。さらに成久継いだ長男永久王も戦時中の飛行機事故で死亡。しかも現在の北白川家の長男道久が継いでいるが、後継男子がいない。戦後の皇太子妃候補としてクローズアップされるが、実現しなかった。北白川家の近代の歩みには、幕末維新当時の能久の悲運が常に影を差しているかのようである。」天皇と宮家より。
私とて戦後生まれですが、多少なりとも記紀、神道、皇室の関わりは知識として持っています。
それだけの知識でも女系は容認できません。
歴史的史実はないですが古事記、日本書紀のその原点が記述され、3000年の歴史を繫いでいるのです。
>寛仁親王が男系維持を希望する発言をした。
との発言があった以降は控えていたようですが。
今回、このような進言をしている所を見ると考えは変えていないようです。
四半世紀も前になるでしょうか、雑誌「プレジデント」に昭和天皇の特集が掲載されたことがあります。
その記事の中で殉職前に乃木大将が昭和天皇に勉強されますようにと渡された本に「中朝事実」と言う本があります。
それは皇統を学べる本です。
昭和天皇は敬愛する将軍から頂いた本と深く思い勉強されたと想像します。それに書かれている事、「皇統」です。
天皇としての「心得」も書かれています。
昭和天皇のお考えに深く影響していると思います。
代々、天皇家「皇祖皇宗の御遺訓」を守り125代男子一系で伝統を守っているのです。
そんな歴史を学んでいない人たちが時流に流され伝統を壊してよいのでしょうか。
「女性皇族が結婚後も皇族の身分を維持できる「女性宮家」の創設について、「賛成」が71.5%に上り、「反対」の14.1%を大きく上回ったことが14日、時事通信が実施した世論調査で分かった。政府は2月から、安定的な皇室活動の維持に向けて、女性宮家創設に関する有識者ヒアリングを始める。国民の支持が高いことが判明したことで、政府の検討に影響を与えそうだ。調査は6日から9日まで、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は65.4%だった。女性宮家創設への賛否を支持政党別に見ると、民主党支持者の67.8%、自民党支持者の73.0%がそれぞれ賛成した。また「支持政党なし」でも、71.6%が賛成と答えた。
一方、皇位継承者を男系男子のみとする現在の皇室典範制度について、「維持すべきだ」が17.9%、「見直すべきだ」が72.6%だった。」ネット記事より引用。
世論では、女性宮家に対し賛成派が多いと報道していますが、戦後教育で皇統をよく理解していない人達の考えだけでは決められない大きな出来事であることは間違いありません。
令和元年5月11日
メディアは世論調査ではと容認が多数だと報じていますが、その意義を知らない人に問うてもただ時流に流されるだけ、その意義を知らしめる報道が無ければそのような調査は無意味。
「中朝事実」の表紙および目次の写真です。
この本は古本屋から入手しました。
大正13年6月27日発行とあり、版を重ねていて、
私のは大正15年5月1日7版発行とあります。
当時よく読まれたものと思われます。
この本の存在を知っている日本人、どれだけいるでしょうか。
資料
こんばんは。お久しぶりです。
この件は、多数派が必ずしも正しいとは言えない事例かと思います。
天皇家の歴史を理解した人もいれば理解していない人もいるようなので、あまり有効なヒアリングとは思えません。
選挙の投票結果にも似ていると思います。
シンさん、
お早うございます。
コメントお寄せいただき有難うございます。
この一件、皇統の意義を深く理解している方々の意見を尊重すべきもので、
世論の多数決で決めるものではないのです。
古事記、日本書紀、神話とはいえ、そこには日本人の魂が宿っているのです。
3000年の歴史、皇統を守る事が我々の務めであり、
祖先が伝統を守り続けてきた意義を、今の日本人が再認識すべき事柄と思います。