ある新聞記事を読んで

9月13日朝、娘が新聞を読んでいて、『お父さん、知り合いの人が記事に載っている』と私に呼びかけたのです。
すぐ、その記事を読むと見出しに「教育長が酔って暴行 辞意表明 少年?の飲酒、喫煙を見て」とありました。記事掲載は9月13日毎日新聞朝刊でした。
その方とは、居合を通じてお付き合いをさせて頂いた経験もあり、人となりを理解していたので「そんなはずはない」と頭を過ぎりました。
見出し写真
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記事を詳しく読んでいくと、記事の一部に「市内の飲食店で未成年らしい男が飲酒と喫煙をしているのを発見。注意しようとしたところ、別の若い男が挑発したため平手で殴ったという。教育長も酒に酔っていたらしい。殴られた若い男が県警に被害届を提出したが示談が成立したという。○○市長は「要職にある人間がこのようなことを起こし、残念」と語った。」
この記事を読む限り、その人の職業上の自覚から注意した行為だと思うと同時に、注意された若い男の仲間が平手打ちを食らったからと被害届を警察に出したことに意外な感じを受けました。注意を受けた仲間の行為を反省せず、挑発するとは筋違い、そんな事を大人にすれば誰だって間違いをたしなめるのが普通だと思います。だから、拳骨でなく平手なのです。子供の頃、悪さをして抓られた経験がありますが、今時、抓っても暴行なのでしょうか。
見出しに「酔って暴行」とあり教育長に非が一方的にあるような印象を持ちますが、非は「少年?」にある様に思えるのです。何故なら未成年がしてはならない事をして法律、ルールを守っていないのですから、まして注意されて反抗的な態度をとっているのです。
見出しについて触れたいと思います。
私が書くとすれば次のように記述します。
教育長、未成年の飲酒、喫煙を見て注意、反抗したため平手打ち」
記事の内容から判断してこの記述のほうが記事の実態に沿っていると思います。
後日、西支局の担当者に伺ったところ、記事、見出しは分業になっており、編集担当者が見出しを考えるそうです。
注目を集めようと、衝撃的な見出しにしている意図が見えます。
改めて見出しの書き出しを見ると「教育長が酔って暴行・・・・・」次に書かれている文字より大きく目を引くようにしています。これだと酔っ払って乱暴したようにも取られます。
注目を集めようと考慮することにはいささかも反論はないのですが、記事の実態からかけ離れる見出しは如何なものか。
この記事を読んだ方には、私の見解を理解してもらえると思うのですが。
その日の午後は、奄美民謡の稽古日で稽古の最中、記事が気になっていました。
記事について誰かと話を持ちたいような気持ちになっていたので、教育長の人となりを知っている人と会話しようと思い立ち、稽古後、教育長がたまに利用している居酒屋へ立ち寄ることにしました。
店に入り、早速お上さんに記事のことを話しました。見出しの記述を話すと憤慨していました。
「酒を飲んで、乱れたり、理性を失うような人でない」「今時のご時世で見てみぬふりをする人が増えている中、彼らしい立派な行為」だというのです。
その発言に私も納得です。
今も付き合いのある居合仲間に、記事が載っていることを連絡しようと電話を掛けました。彼もその記事を読んでいました。同様に記事の記述には不満だった様です。私は新聞社に問い合わせをするつもりですと話し、電話を切りました。それから暫くして彼から電話が入りました。新聞社のさいたま支局に電話をしたというのです。すぐ行動を起こしたことに驚きましたが、彼自身も記事の扱いには相当不満を持っていたのでしょう。彼が言うにはニュースソースは県警から出ており、直接の取材ではないことがわかりました。彼が問い合わせで強調したのは未成年が飲酒、喫煙したことが悪いということでした。平手を打たれた位で被害届けを出すこと自体もおかしいとも言っていました。
私は彼に支局の電話番号を聞いてメモを取り、すぐに電話をする気になりました。
そばにいたお上さんも電話をするから私に教えてと言い、番号を書き留めていました。
次の日、会社に用事があり、会社からさいたま支局に電話を入れました。
9/13の記事について詳しく知りたいので、担当記者に取り次いで欲しいと申し出ました。決まりで取次ぎはできないというので電話に出た係の女性に質問しました。
見出しの記述の仕方、記事から読み取れる少年?の素行の悪さ、非は少年にあるのでは、少年の後に「?」を入れて曖昧なままで記事にしていいのか、教育長はその記事で辞職に追い込まれたなど。
彼女の返答は、暴力行為が良くなかった、少年にも非はあるが、意図的に辞職するような書き方はしてない、などでした。
終わりに彼女は担当でないので、詳しく担当者から聞いて後日連絡しますと言い電話を終わりました。
数日たっても、連絡がないのでこちらから、さいたま支局に電話をいれ、返答が無い旨を話し、係の女性の名前をだし取り次いでもらおうとしたのですが、本人が不在で、出た方がその記事を書いた記者の所属は西支局なので、そちらに電話をして下さいとの返答でした。
番号を聞き、すぐ西支局に電話を入れ記者の名前を言い、取り次いでもらうとしたのですが出来ませんというので出た男性の係の方に記事について質問しました。
前回とほぼ同様な質問をしましたが、基本的には暴行を働いたことが致命的だというのです。私が、それは違うだろと反論し、この事件の発端は少年でしょ。
彼らに「非」があり、教育長は指導をしているのですよ!となど言いましたが、
暴力を振るうことが良くなかったと基本的に同じ論調でした。
更に続けて、9/17付けの新聞に改めて記事にしてあるので読んでくださいというので、読んでみますと電話を切りました。
早速、家に戻りその記事に目を通しました。
記事を引用しますと次の内容です。全文はやめ一部の記述に留めます。
見出しはこうです「教育長辞職を報告 市長、議会で謝罪」
実名は避けて記事を記述しました。
「・・・・・・中略・・・・・N氏は7月19日午前1時ごろ、市内の居酒屋前の路上で、未成年の少女ら数人が酒に酔った様子で騒いでいるのを発見。『早く家に帰りなさい』などと注意したが、少女たちは反論したうえ店内に入って行った。N氏が少女らを追って店内に入った際、出てきた男性3人組を少女らの仲間と思い込み、『未成年に酒を飲ませるな』と注意。しかし、男性たちと口論になり、うち1人の左ほほを右手でたたき、1週間の軽症を負わせたという。・・・・・・中略・・・・・」
記事を読んだことを知らせるため、次の日すぐ西支局に電話をして同じ担当者に読んだ感想を話しました。
記事の様子から、未成年に酒を飲ましていたのは居酒屋と思われるが処分はどうなった、飲酒した少女の処分は、1時の真夜中まで遊ばせていた保護者の義務責任は、などを話しました。その件の事実確認はしておらず判らなかったようです。
今時、平手ぐらいで被害届けですか、こんな調子だと学校の先生は教導しづらいのではと問いただすと、そのような風潮はあり先生も生徒でも同じ目に遭うと被害届けを出すようになっていますというのです。それじゃどうやって指導、教育をするのと聞くと、ただ、ただ、言葉で言い聞かせると言うのです。
それだけで躾が出来ますか、人間として成長過程にいる子供は理解しますか、
我儘が出たらどうします。私は続けて、こんな状況で教育はどうなるのですかと聞くと、返答に困る感じでそれが今の風潮ですと諦観しているように受け取れました。
記事に間違いがありました。13日付けは「未成年らしい男」となっていますが、17日付けでは「未成年の少女」です。記事の記述もかなり違っています。
ケースバイケースと思いますが、記者が直接取材するのでなく、又聞での取材のため起きたミスだと思います。新聞記事の誤報は些細なことでも良くないのでは。
新聞社、「社会の木鐸※」と標榜している(今はどうなのか?)以上、青少年の教育指導が機能しなくなっている社会に警鐘を鳴らすのが使命と思うのですが、今回のこの事件このような扱いでいいのでしょうか。社会的視点から見ても、職業上、責任、義務感を持っての行為です。この事件を起こした原因は、注意を聞かなかった少女にあるのです。公平性が欠けていて私は納得できません。新聞社の方は暴行したことが致命的だと言うが、社会正義を実行した方がこんな形で職を失い、人生が狂ってしまいました。記事は暴力を振るっていませんが、結果的に「ペンの暴力」になっていないでしょうか。
※ 木鐸(ぼくたく) 意:世人を覚醒し、教え導く人 広辞苑より
結びに、当社の計理士が呉れた資料の一部を引用し終わりにします。
タイトルは「江戸しぐさと商人道」出典:佐藤なな子女史文書
「・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・店(たな、企業)に入れば、生き方からコミュニケーションまで手取り足取り教え込まれる。江戸時代は、地域ぐるみで子供を育て、一方的に教えるのでなく、『背中を見せて真似させる事』が基本だったのです。江戸と現代では、時代が違いますが、学ぶべきところは大いにあるに違いありません。経営者(上司、先輩)として上に立つ人間として『自分のしぐさ』『自分の背中』をどう見せていくのか。そして社会の一員として、次世代を担う人達を育む事に、どう取り組んでいくか・・・・・・・」
地域社会ぐるみで青少年の教育指導のコンセンサスは、最近まであったように思います。
今回の教育長のあり方はその精神の継承による行動と思います。
「社会の木鐸」さんに問う!!!
・・・大人が少年少女に注意する当然な行為が事件になってしまう社会をどう思いますかと。・・・

当社に訪れた生命保険会社の方に、この文章を読んでもらい感想を話してもらいました。
○ 見出しの書き方は、大きな見出しだけしか読まない人がいれば、誤解を生むことも。
○ 社会正義を貫いているのに、この記事の書き方では注意したほうが馬鹿を見る
○ 見聞談として、会社の研修会に赴く時、バスの中、大声でおしゃべりをしている女子高生に注意した60歳ぐらいのおじさんは「ウザイんだよ」と口答えされた。
このブログを読んだ方の感想も聞きたいものです。

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