横綱白鵬(30=宮城野)の「猫だまし」に対し、日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)が苦言を呈した。

 白鵬-栃煌山戦でのこと。白鵬は立ち合い直後、相手の顔の前で両手をバチンと合わせる猫だましでかく乱。左にひらりと動いて、栃煌山を泳がせた。相手が振り向くと再度、猫だまし。得意の右四つに組み止めて寄り切った。北の湖理事長は「(猫だましを)やるってのは、なかなかありえない。やられる方もやられる方だけど、やる方もやる方。横綱としてやるべきことじゃない。横綱がやるのは前代未聞なんじゃないの?」とあきれ気味。観客もあっけにとられた一番で「拍手がないじゃない。お客さんはどう見ているか分からないけれど…」と続けた。格上の横綱が繰り出す猫だましは、相手をなめたようにもとらえられかねない。同理事長は「みんな(モヤモヤした)気持ちが残っちゃうでしょ? 横綱はそういう風に見られちゃだめ」と指摘した。」

ネット記事より。

取り組みの録画を観ると、勝利した時白鵬はにんまりと笑みをたたえた顔つきに、「してやったりと」画面から見て取れた。テレビ番組に出ていた解説者が言う通り使ってみたかった技と思うな!

圧倒的な強さを見せる白鵬、多少なりとも遊び心が出て興味でやった可能性があるね。

しかし、大横綱として自覚を持ち横綱を張った北の湖からすれば自覚が足りないと見えたのは当然だと思う。

「猫だまし」という技を知ったのは、確か出羽錦という関取が使ったことで知りました。

昔の事となりましたが。

初代若乃花、平幕の出羽錦と相撲する時は攻めあぐねた、合い四つで、腰が重く若乃花は取ずらかったのでしょう。

塩を撒くときはつまんでひょいと撒く仕草がユーモラスで人気のある関取でした。

こんな力士が脇役にいると主役の横綱が目立ち相撲は興行的にも面白くなります。

そういう意味でも、横綱は横綱らしい取り口で勝つことが相撲を面白くさせるのでしょう。

横綱相撲のイメージを際立たせたのが69連勝の双葉山、受けて立つ「後の先」を体現した横綱でした。

これからも主役である横綱は「品格」を保持しながら相撲を取ることを求められると思います。

何せ、興行的意味合いの強い相撲、神道に因んだ神事、そして挌技を競うパフォーマンス、そして髷と花道、興行的主役を張る横綱はその自覚がないと務まりません。

初代若乃花、裸を魅せる商売ともいいきり、サポーター、包帯などを巻くことを嫌っていましたから。

慶大教授池田彌三郎のことばを借りれば、

「髷を結い、花道があれば芸能」

相撲の本質を言い得た言葉として今でも忘れず覚えています。