11日、奄美民謡教室へ行く時、改札口前にある本屋に入店し、いつものようにどんな本が出版されているかと物色していると目に止まったのが「江田島海軍兵学校」。
子供の頃より海軍士官の養成所として認識はあったと思います。
すぐに思い出したのは「カッター・大型ボート」の訓練、大勢で乗り込み櫓を漕いでの航行訓練、櫓を漕ぐ時尻の皮がむけてしまうと聞いたことがあります。仄聞では海軍さんの制服が恰好よくスマートで女の子によくモテたとか。確かに凛々しい印象を持ちます。実際には観ていませんが、大映・市川雷蔵主演の「若親分シリーズ」で見ると短剣を吊るし颯爽とした印象が残っています。
その短剣を一時所有した事があります。
取引先の方から、私が刀を持っていることから関心があるのだろうと呉れたのです。
知り合いの方が所有されていたらしいです。
この本を読んでわかった事の一つに「集合時刻5分前」というのがありましたが、集りにはその様にしなさいとよく言われたものです。今思えば海軍の慣例だったのでしょう。
この本を出版された著者は徳川宗英氏は兵学校最後の77期生にあたるそうです。
「はじめに」のページの一文にこう書いています。
「・・・江田島の教育が完璧なものとだとは思いませんが、良識ある人間としての生き方、ビジネスにおけるリーダーシップのとり方、個々の仕事の仕方、あるいは子どもの躾を考えるうえで、参考になる点は多々あると思います。・・・」とありました。
昨今、学校教育、家庭教育など87歳の年寄りからすれば嘆かわしいことが目に付き、正す一助になればと思って書いたのでしょう。
温故知新、読んで感じた事ですがこんな素晴らしい教育システムが学校教育に取り入れられていないのか
と言う事、教育、訓育の根幹には「覚えるより考えろ」「士官である前に紳士たれ」など人間教育に徹していたようです。士官としてのマナー集『礼法集成』を規範として行動せよと教えています。また、コミュニケーションを円滑にする十九ヵ条など人間教育に必要な事柄が載っていました。
十九ヵ条を読むと私自身この年になって直さねばと思い知らせれることがあり、恥ずかしさも感じました。やはり「ヒト」が人間として成長させるための事柄が、士官教育に網羅されています。例えば「選ばれし者のつとめ」、イギリス海軍のダグラス少佐の教えに、「人より優位に立っている者は、他人に親切にすべきであり、自分に出来る事で社会に貢献すべきだ、・・・・・厳正な規律のもとで自己研鑽に励み、人間としても軍人としても立派に成長し、国家や国民に貢献しなければならない。それが紳士と言うものである。-----」、彼は明治8年に帰国したがその功績を高いと著者は言っています。
50年以上前、高校のある先生が言っていた事が今になってわかります。
戦後教育でこのような「エリート教育」が廃れたと事を悔やんでいました。
追記
兵学校の体育には、棒倒し競技をがありました。
私らの年代だと小学校で、5、6年生になると運動会で「棒倒し」「騎馬戦」が競技がありワクワクして観たもんです。6年生になればやれるんだと期待していたら、方針で棒倒しは取り止め、騎馬戦も帽子を取るだけに変えられてがっかりした事があります。
昭和31年の頃です。この頃から平和教育と言って闘争的な競技はやらない方針に変わったのでしょう。
それ以降「平和ボケ」が醸成されていったのではないしょうか!?
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