アメリカ9・11 特集番組を観る

テレビのヒストリーチャンネルで、2001年9月11日同時多発テロの特集を放映していました。
貿易センタービル、警備責任者の人が紹介されていました。
FBIの経歴を評価されての人選です。
この方の死を覚悟しての犠牲的な行動により、1万人以上の方が退避できたのです。
このテロの起こる前、1998年8月7日、ケニアのナイロビとタンザニアのダルエスサラムのアメリカ大使館の同時爆破テロにありました。

この方、経歴からして、またテロが起こることを懸念し、折にふれ関係者には話していたそうです。
アメリカ、テロの標的にされ爆破事件に過去何度も遭遇しています。
数年前も襲われている状況から、FBIに在籍しその筋の情報に敏感になっていたのでしょう。
イタリア政府が、テロの不穏な動きを察知していてアメリカ政府にも連絡は取っていたようです。
しかし、その連絡を聞きながら、アメリカ政府は真剣に受け止めなかったのでしょう。
死傷者は約3000人、アメリカ人には非常にショックな出来事で、国民全体にテロは許さないと機運が高まり、報復として、スーダン、アフガニスタンにミサイル攻撃をしています。

イラク戦争、アフガニスタン戦争にと繋がって行きました。

アメリカは、自由、正義のためにと言って戦争をします。

強力な軍隊を持つ超大国、武力を盾にして、ある意味で軍国主義です。

隣の国も軍事費を増やして軍備を強力に推し進めています。

国際社会で幅を利かすのは武力なのでしょう。

 

アルカイーダ、ビンラディンの部下がハイジャックした旅客機で、最初ツインタワー北棟に突っ込みます。その約20分後、南棟もう一機。
ドキュメンタリー番組であり映像は多くの人に撮影されたものが使われています。
番組としては、4、5時間の編成、再現映像も使用され、ツインタワーのビルと関わっている人たちの証言も織り込んでいました。

 

再現映像では、実行犯がテロを実行するまでの経緯を描いていました。
イスラム教を信仰する強い思いがその背景にあります。まず、驚く事は実行犯がアメリカで旅客機の操縦を覚えていたこと。
操縦を教えた教官が言っていましたが、犯人が言うには国へ帰って飛行機の操縦する仕事に就きたいと言うありふれたことなので、何ら不信な点は持たなかったそうです。
潜伏も油断なく完璧にその任を果たしています。変な話ですが番組ではビンラディンの人選を評価していました。

 

ツインタワーが燃えている状況を民衆はただただ、唖然として見上げる様子が映像に流れていました。口々に「Oh my God」
実際、その場にいたとしたらどんな思いで見ていたことでしょう。
現場に居たある人がインタビューに答えて、「奴らを皆殺しにしろ」「戦争だ!」など
好戦的な言葉を発している場面もありました。
中にはビルから落下する人を目撃して、嫌なものを見てしまったと嘆いていた人もいます。

 

後に攻撃された南棟の方が火災はひどく先に崩落します。
現場にいた消防隊員、警官、民衆などビルが崩落することを知りません。
番組の中で、遠く離れた場所にいる建築専門家が崩落することを予知していたことを紹介していました。
ビルの構造から起こりうると判断していたのです。
崩落する場面、煙、粉塵、書類の紙が混じった噴煙が人々を飲み込みます。

 

家族の安否を気遣う様子も映像で流れ、その中に消防隊員の奥さんがビル勤務しているために、夫である隊員はビル崩落後、妻の安否を確かめるために彷徨します。
奥さんが難を逃れてビルにいるところを探し出し、抱き合って互いの無事を喜ぶ場面には胸が打つものがありました。

消防隊隊員の装備が40キロあり、救助に向かう時階段を登るのですが、途中途中で休まないと進めないのです。

装備の重さには驚きです。

そんな装備をして救出に向かう消防隊員が奇跡的に助かった事を再現映像で紹介していました。隊長がビル崩壊を予見して、戻るため階段を下りていくのですが、途中動けなくなった黒人女性と会います。

背負っての行動となると時間がかかり、崩壊する前に着けなくなるのではと心配しますが救出を決断し隊員とともに下りていきます。しかし、ビルが崩壊し瓦礫に埋もれてしまうのですが、命が奇跡的に助かるのです。結果的に救出したことが助かった事につながるのです。

隊長はしみじみ語ります。助けたことで我々も助かったと。

 

 

冒頭紹介しました警備責任者、名はリック。
この人の特番もありました。
アメリカでヒーローとなり、アメリカ人の誇りでもありますが、元はイギリス人。
アメリカ兵にあこがれ、ベトナム戦争にアメリカ兵として従軍し、小隊を率いて数々の軍功を挙げます。
部下への配慮、心配りがあり、リーダーとして類まれな手腕を発揮してベトナムで戦っています。
それを示すデータを紹介していました。
彼が率いた小隊は戦死者の数が極端に低く5、6名と報道され、ふつうは50%の戦死者が出るのが当たり前だったそうです。
如何に卓越した戦闘指揮をしたかがうかがえます。
そのような実績があって、FBIにも入ったのでしょう。

 

アメリカ、そういう意味では戦い能力、知識のある人材が豊富にあるのだと思います。
何せ、戦後から局地戦ではありますが戦争していない時期の方が少ないのではないでしょうか。

1993年にも世界貿易センタービルの爆破テロ(地下駐車場に止めたトラックに爆弾を仕込んだ)があり、テロに対し警戒していたアメリカですが、冒頭記述したようにアメリカ大使館が5年後の1998年に爆破テロの攻撃を受けています。
この事件の背景には、1991年の湾岸戦争において、クウェートに侵攻したイラク軍を、アメリカを中心とする多国籍軍が撤退させた。アメリカ軍はその後も中東に展開しつづけ、「中東の憲兵」のようなその振る舞いは、反米勢力、特にイスラム原理主義の過激派を刺激するものであり、それが2001年の9・11繋がりました。
‘93年の時爆破テロ、ビル地下駐車場は出入りが自由であったために起きたのです。
新しく立てた世界貿易センタービル(ツインタワー)は、地下の出入りはフリーにはせず警備体制は万全にしました。

 

リックもそうですが、テロ再発を恐れていた人たちがいたようです。
ツインタワーの地下は入れないようになっていたので、彼らは空からの攻撃を予測し実際にシミュレーソンした結果、ニューヨークにある高層ビル、すべて攻撃対象になりうることを予測していました。
それが現実となったのです。
9・11以降は、アメリカではテロが起きていないと思います。
テロ対策も万全となり、FBI,CIAなどが情報収集の精度を高め、未然に防いでいるのでしょう。

国際社会の警察と自負するアメリカですが、傲慢になっている面も感じます。
その反発からか、イラン大統領が9月23日の国連本部での演説で、9・11は「米政府の陰謀」と持論を持ち出して、米政府代表団などが議場を退出したそうです。
それにしてもアメリカ、今後もテロ対策を怠りなくやらなければならないでしょう。
リックは、その功績を称えられベトナム帰還兵としてその雄姿を銅像として建立されました。
どの国も、軍功,功績をあげ国のために尽くした人は英雄として祭り上げられるのでしょう。戦前の日本にも軍功を挙げた兵士が軍神としてまつられ、銅像も建立されましたが、GHQは軍国主義につながったとの理由でその多くがGHQの指示で取り壊されています。
お国のために尽くしたからとの思いは一緒だと思いますが。

 

陰謀説ですが、知人からそんな話を聞かされていました。
テロの万全な警戒体制がなされ、かつ再発が予測されていたにもかかわらず、なぜ政府はその情報を精査しなかったのかとの疑問を感じます。
だからこそ、陰謀説が出てきたのでしょうか。
どちらにしろ、イスラム原理主義者、正義の名のもとにやっているのでテロ対策を行っても、テロはまた起こるでしょう。

戦場ではない、都市の中でのゲリラ戦です。

コメントが 2件あります

  1. 青柳 さんより2011年1月29日1:06 AM

    社長様 先日は大変ありがとうございました。
    9・11の衝撃は、今でも鮮明に記憶しています。
    そして、いろいろなドラマがあったんですね。
    少し前、読んだ本に面白い記述がありました。
    東洋と西洋は800年ごとに、文化や経済などの
    中心が入れ替わっている。のだそうです。
    そしてこの端境のポイントには、世界を揺るがす
    大きな事件が必ずあって、そこから舞台は大きく
    回転を始めるんだそうです。
    9・11テロは、まさにこのポイントを示す大事件だった。
    また楽しいお話を聞かせてください!!
    ブログにも寄せてもらいます。
    では、また。

  2. 上野2011年1月29日8:18 AM

    その節は色々とご説明頂き、参考になりました。
    歴史にはそのような節目節目があって、
    大きな転換を迎えるものなのでしょうね。
    経済の中心が中国に移り、
    世界経済の構図が変わってきました。
    「万物は流転する」という言葉を想起します。
    お仕事遅くまでご苦労様です。
    コメント有難う御座いました。

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