アメリカ アルカイダ・ビン ラディンを抹殺

2011年5月、オバマ大統領がビンラディンを殺害したと演説がありました。
9・11から今年は10年目、この時機での演説ですから非常に印象に残るものとなりました。
9月半ば、テレビでは9・11テロを扱った番組が幾度か放映されていましたが、
その中の番組に、アメリカがアルカイダ・ビンランディンを探し、殺害するまでの経緯を実写映像と、
再現映像で構成された特番がありました。

アメリカがどのようにしてビンラディンを探し当てたか興味がありましたので観ることに。
テロは主に、アメリカがその標的になっていましたが、9・11以降その対策に本気で取り組んだようです。
先ず、驚くのはその情報収集の綿密さと根気です。
一つ一つの情報を精査し筋道を作っていく過程では多くの人が従事して分析が行われます。
その過程で2002年、3月ビンラデインと連絡を取る使者なる人物がターゲットになり彼の足取りを追います。

CIA、国家安全保障チームが指揮を取り、収集する中ビンラディンが住んでいると思われる住居をみつけますが、
確定するまでにはさらに情報収集を続けます。
その際の行動は尾行、盗聴など地道な活動が続けられました。
そして2010年、8月間違いなくその住居と判断して、その調査を始めます。

壁は高く、窓は中が見えないように、
電話回線、インターネット回線がないことも不審な点です。

長い間、潜伏先として疑われたアフガン・パキスタン国境の山岳地帯では大捜索が行われていましたが、
結局、ビンラディン容疑者が見つかったのはパキスタン首都郊外の大邸宅でした。
この辺が、見つけるまでに時間が掛かった理由でしょうか。

使用される機器が又凄い。
コンピュータ、無人偵察機RQ-170、通信傍受の衛星、情報機器ありとあらゆるものが使用されていました。
おそらくその家にいるだろうと判断された一つに衛星画像に背の高い人物を発見したことでした。
衛星画像の威力は以前より画像解析が高まり、歩いている人までが認識出来るものとは知っていましたが、
本当に驚きです。

いよいよ、詰めの段階CIAはその住居の前に家を購入して監視体制を構築します。
暗視スコープ、振動を拾って音声に変えられる盗聴機器、スパイ映画より凄いです。
その監視から判明したことはビンラディンの家族構成が一致した事。
これにより、CIAは殺害の作戦を決めるのです。

CIAはJSOC(統合特殊作戦コマンド)と連携をとり作戦準備に入ります。
SEALTEAM6と呼ばれる特殊部隊がその任を引き受けます。その訓練は約1ヶ月に及び、ビンラデインが住む住居を模した建物で、
侵入襲撃の訓練を行います。家の構成、ドアの種類、部屋の配置など頭に叩き込むのです。
これに所属する兵隊はエリート中のエリートと言われ、厳しい訓練に受かったものだけがなれるのです。

作戦開始日は5月1日、入念に練られた作戦です。
パキスタンには極秘作戦のため、事前に通知しません。
ですから、国境侵犯です。
強引ですね。

編成は、ステルス型ヘリコプターブラックホーク2機ほか、レーダー回避技術装置を持ったヘリコプター2機と隊員。
事前に、決めてあった航路を低空でジャラーラーバードから260キロの飛行、夜間の作戦しかし暗視スコープで難なく、
行えます。本当にアメリカの軍事力には驚かされます。
確か一機、6000万ドルと。作戦には軍用犬も参加、ハイテク装備の兵隊と犬の対比が面白い。

ビンラデインの住居がある、アボダバードに到着。
一機のブラックホークが敷地に着陸しようとするのですが、後部が壁に引っ掛かり墜落してしまいます。
本来であらば、上から下からと挟み撃ちにして攻める計画でしたが、作戦変更、それも想定しての対処です。
もう一機が、敷地の外に着陸して壁を爆破して侵入し、家に突入。

隊員が、進む中敵に遭遇しながらも撃ち殺し3階へと進み、ビンラディンを見つけ2発で射殺です。

左目に一発、ドドメは胸に。
暗視スコープを装着しての銃撃ですが、ドドメを刺す余裕、確かに選りすぐりの隊員です。
38分間の戦闘、人工衛星を通じて危機管理室があるホワイトハウスに逐次映像が送られたそうです。
オバマ大統領、殺害の場面を見ていたことになります。
コード名ジェロニモ。
ジェロニモを殺害と連絡が入ります。
We got him。

ビンラディン本人か顔認識技術で認証作業、DNA鑑定もFBIに彼の兄弟のDNAがありそれと照合するのですが、
凄いことです、衛星通信ですべて出来ることが。
数時間後、本人と断定した段階で、間を置かず北アラビヤ海で葬儀を行い、彼の遺体は海の藻屑と。
これも、今後のことを念頭に入れての対応のなのでしょう。

ビンラディンの住居からは多数のアルカイダ機密情報を押収、これによりアルカイダの動きを封じ込めることに。
この作戦、いろいろと取りざたされますが、良し悪しとは別に、アメリカの軍事能力、情報作戦等の実力を見た思いがしました。

コメントが 4件あります

  1. 米の祝福さんより2011年9月20日12:39 PM

    社長、こんにちは。
    羽田の航空管制官が米大統領機「エアフォースワン」の航路計画などの画像を
    自分のブログにupしてしまうくらいですから、日本では情報戦など無理でしょうね。
    日本人は、なぜこんなに「おバカ」になってしまったのでしょう?

  2. 上野2011年9月20日12:56 PM

    そんな「おバカ」が育った、その原因は平和憲法信心でしょう。
    空想の世界にいることも知らずに66年。
    現実の世界に引き戻すことがこれからの日本の課題です。
    回りを見ればすぐわかることなのに!
    でも、そこが宗教の怖いところ。
    コメント有難う。

  3. シンさんより2011年9月21日9:07 PM

    太平洋戦争当時で日本の暗号が解読されてアメリカに筒抜けだったそうですから、情報機器が発達した現代では諜報活動も凄いものになるのでしょう。
    それにしても凄いですね。漠然とした膨大な事象から「結果」を導き出せるなんて。
    外国からは、日本の先の先まで読まれていると思います。

  4. 上野2011年9月22日9:14 AM

    そうですね。
    子供のころ、大人達に日本はレーダーが無くてアメリカに負けたと聞かされていましたので、敗因の一つに、情報戦を蔑にしたためと認識していました。
    しかし、レーダーの発明が日本であった事、後々知ることにになりますが、
    諜報活動、スパイなどは卑怯な行為として見られ、熱心でなかったと記憶にあります。
    でも、戦国時代をみると当時の武将はスパイ活動を重んじていました。
    歴史から学んでいれば軽んじることではないことが分かります。
    翻って、今の日本その事を学習していないように思えます。
    これから起こるであろう、隣国とのトラブル、今一度見直して情報戦の大切さを知って貰いたいものです。
    同盟国のアメリカに教えて貰えばよいのでは。
    すべてを教えてはくれるとは思いませんが、少なからずも今よりはよくなると考えます。

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