大相撲と賭博問題(続)

 両国国技館で臨時理事会を開き、特別調査委員会(座長 伊藤滋早稲田大学特命教授)の勧告を受け入れ7月11日からの名古屋場所を開催と決まりました。
中止になるか注目されていたので、名古屋場所に関わる事業関連の会社あるいは関係者方々は一安心という所でしょうか。
朝、テレビを見ていましたら、大嶽親方が鼻水、涙を流しながら今回の経緯はすべて私が悪いので、他の人を許してやって下さいと訴えていました。
「彼等の生活がかかっていますからと・・・・」。
しかし、本当に「後悔先に立たず」です。
ここに来て本当に事の重大さが分かったのでしょう。

 

琴光喜が大嶽親方の借金を肩代わりしていたとは、お人よしの面もあります。
しかし、無碍に断れなかった彼の立場には同情しますが、結果として琴光喜、後援者、ファンの期待を裏切ることになってしまいました。
過去に例のない、除名が下される可能性があり、そうなれば彼が大相撲の歴史に汚点を残す結果となってしまいます。
せめて、私の思いとすれば「解雇」にしてくれないかと願うばかりです。
処分を厳しくすれば、それでよいというわけにはいかない面を感じるからです。
テレビで「お上さんのアンケート」と題し、いろいろと情報を集め、内情を示す報道をされていました。
それによれば、賭博などある程度黙認されていた様子が窺えます。

 

それが事実とすれば、理事、親方などは知っていて知らん振りしていたのではと、勘繰られなくもないのです。
博打に賭ける金額などが問題にされるようですが、琴光喜は大嶽親方よりまだ常識範囲と見てもいいのでは。但し、私らよりは相当高額ですが。
「やっていない」と嘘の報告をした点を委員会は問題視していますが、そこには彼等なりに保身だけでなく、ある配慮があっての事のようにも思えます。
武士の情け、「除名」はやめて下さいといいたいです。

 

それより、まずはリーダーたる理事、他面々が猛省すべき案件です。
どう見ても、相撲協会という組織の運用に関してそれなりの見識で役職を務めているとは現状から見えてきません。ここ数年、改革といいながらこの結果を招いているのですから、
怠慢とも思えます。
ある意味、財団法人という立場に甘え、何もしていないように思えます、
会社であれば倒産という事態になってもおかしくないといえるのでは。

 

大嶽親方、大横綱大鵬の三女と結婚し、部屋を継承し、かつ4人の男の子に恵まれ、その子供がお爺さんである大鵬を超える関取になる夢を持つまでに育ち、相撲一家としては申し分のない家庭を築いていたのに、非常に残念です。
お上さんである三女の娘が、ここまでの家庭にしていた「内助の功」が水の泡です。
さぞかし無念なことでしょう。
男として、女を泣かすようなことをして、その罪は大きいです。
環境に甘えていたのでしょうか。
立場を考えれば、それなりの自覚が芽生えてくるのが当然と事だと思うのですが、
それすら考えもせず、博打にのめり込んだのでしょう。
昔から、賭博、博打にうつつを抜かす者、怠け者は男としてはダメだといわれていましたが、そのとおりの結果ですね。
自分の不始末の結果、離婚もしなければなりません。
好き同士で惚れ合って一緒に持った所帯なのに。

 

テレビでは、見識者、評論家、一タレントが組織の改革が必要と声高にいい、相撲部屋制度も改めて、無くすような言い方をしていましたが、私は反対です。
先ず、言っておきたいこと、大相撲は「伝統芸能、文化」という側面が大いにあります。
それも、江戸時代から連綿と続いているのです。
「髷を結い、花道があれば芸能」という言葉、
過去に何度かブログで触れていますが、池田弥三郎氏の言葉に賛同しているからです。

 

大相撲には、伝統に裏打ちされた様式美、エンターテイメント、文化の伝承(神道に根ざした儀式)などがあり、単にスポーツという側面で語られないのです。
伝統芸能で言えば、歌舞伎、能など連綿と芸を伝承されているものもあります。
それが守られているのは、代々その家系に属する者が大いなる自覚と覚悟を持って臨んでいるからに他なりません。
今まで築いてきた仕組みが問題でなく、運用に問題が出てきているのではないかと思います。
その背景に、日本人自体の変質(見方、考え方)も見逃せません。
改革の手始めは、大相撲の伝統に携わるものとして「どうあるべきか」、男社会でありますが、部屋の親方、裏方のお上さんをも含め、先ずは一門同士で話し合いを持つべきと考えます。
「不易流行」なる言葉がありますが、変えなければいけないもの、変えてはいけないものを見極めつつ、改革案を構築し大相撲の伝統を継承してもらいたいものです。

子供の頃より、半世紀以上相撲を見てきた一ファンとしての願いです。

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